POSターミナル市場は今後も横ばいか微減、タブレット活用が脅威に:市場調査
矢野経済研究所は、POSメーカー、POSソフトウェアメーカー、その他関連企業を対象に、国内のPOSターミナル市場についての調査を実施。その結果をレポートとしてまとめた。
矢野経済研究所は、POSメーカー、POSソフトウェアメーカー、その他関連企業を対象に、国内のPOSターミナル(端末)市場についての調査を2012年11〜12月の期間実施。結果をレポート(「2013年版 リテールソリューション市場の実態と将来展望」)としてまとめ、その概要を発表した。
国内のPOSターミナルを取り巻く環境は、ほぼ完全なリプレース市場。需要の90%前後が自社、他社リプレースで構成され、既に飽和状態に達している。さらに、流通業でのPOSに対するシステム投資手控えの影響から、リプレース期間の長期化が進んでおり、「致命的な老朽化がない限り、POSターミナルをリプレースしない」という企業が増加。こうした状況において、2012年度のPOSターミナル市場規模は、前年度比99.2%の436億円(出荷台数:11万8904台)を見込む。12万832台、440億円の市場規模であった2011年度とほぼ同水準だ。なお、調査対象にタブレット端末などを活用した簡易的なPOSターミナルは含まれていない。
POSメーカー各社は将来展望として、「2000年問題」でリプレースを行った流通業各社をボリュームゾーンとして捉えており、2009年ごろの1回目のリプレースを経て、“2回目の入れ替えニーズ”に期待している。しかし、矢野経済研究所は、「経済環境の影響、流通業の統廃合の加速により、POSターミナル業界自体の競争はさらに厳しさが増すものと予測され、今後のPOSターミナルの市場規模は、ほぼ横ばいもしくは微減で推移していくだろう」としている。
その一方で、簡易なPOSターミナルとして、タブレット端末+POSソフトウェアを活用しようという動きが活発化し、市場での認知を高めているという。特に、ファッション性を重視するアパレルや宝飾・アクセサリー、ヘアーサロン、飲食業などの分野でタブレット端末の活用が進むとしている。また、POSシステムの必要性を感じながらも、「従来機は高機能(ハイスペック)過ぎる」などの理由から導入に踏み切れなかった中小規模の小売店などが、こうした簡易POSターミナルに注目しているとのこと。
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