お腹の赤ちゃんをホログラム印刷!? パイオニアの「小型フルカラーホログラムプリンタ」:メディカル&イメージング
パイオニアは「小型フルカラーホログラムプリンタ」を用い、超音波診断装置のデータから胎児の3D画像をホログラム印刷する技術を、「メディカル&イメージングEXPO 2013」で参考出品すると発表した。
パイオニアは、かねてより開発を進めてきたリップマンホログラム(白色光反射型ホログラム)作製用「小型フルカラーホログラムプリンタ」を用い、超音波診断装置(エコー)のデータから胎児の3D画像をホログラム印刷する技術を、2013年4月24〜26日の3日間、パシフィコ横浜で開催される「メディカル&イメージングEXPO 2013」で参考出品すると発表した。
通常、ステレオホログラムの技術を用いて、リアルで奥行き感のある立体表現が可能なリップマンホログラムの作製には、撮影用模型、除振装置、暗室などの大掛かりな撮影環境や機材、光学系のセッティングや露光条件などに関する高度な撮影技術・知識が必要とされる。
これに対し、同社が開発した小型フルカラーホログラムプリンタであれば、プリンタに接続されたPC上で、3DCGを作成・加工し、出力するだけでホログラムを作成できる。メディカル&イメージングEXPO 2013の出展に際し、同社はホログラムの新たな用途を模索・検討し、“出産の記念品”としての可能性を提示する。なお、胎児の3D画像データは、GEヘルスケア・ジャパンから提供されるものを使用するという。
記録媒体には、バイエルマテリアルサイエンスのホログラム用高機能性フィルム「バイフォール HX」を利用。バイフォール HXは、表面の凹凸によってホログラムを実現する従来のもの(エンボス型ホログラム)とは異なり、フォトポリマー内部の光重合反応によりホログラムを実現(フォトポリマー体積型ホログラム)する。そのため、型をとるなど、表面構造を模倣しただけでは偽造できないという利点がある。さらに、従来の記録媒体に使用されてきたホログラム用材料は、記録作業後に時間のかかる複雑な後処理工程が必要だったが、バイフォール HXの場合は、簡易な後処理のみで済むため、これまで課題とされてきた量産製造にも対応可能だという。また、湿度に強く、収縮が小さいという特性も備える。
同社は、カーエレクトロニクス事業、ホームエレクトロニクス事業に続く新規事業として、医療・健康機器関連分野への参入を進めており、保有するさまざまな技術を医療関連分野で応用・実用化し、次世代を担うコアビジネスとして育成していきたい考えだ。
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