パナソニックが音楽配信サービス企業を買収、自動車分野売上高2兆円に向け布石:車載情報機器
パナソニックは、音楽配信サービスプラットフォームを展開するドイツのベンチャー企業Aupeoを買収した。同社社長の津賀一宏氏は、2018年度までに自動車分野の売上高を2兆円まで伸ばすため、「他社との協業や事業買収を積極的に進める必要がある」と語っており、今回の買収もその方針にのっとったものとみられる。
パナソニックは2013年4月8日(米国時間)、音楽配信サービスプラットフォームを展開するドイツのベンチャー企業Aupeoを買収したと発表した。Aupeoは、パナソニックの北米法人であるPanasonic Corporation of North Americaで自動車関連事業を扱うPanasonic Automotive Systems Company of Americaの傘下に加わることになる。
Aupeoは、40カ国以上で、インターネット経由で利用できる音楽配信サービスプラットフォームを展開している。各国の地上波ラジオ局やポッドキャストをはじめとする6000以上の音楽チャンネルを使って、ユーザーが自分好みにサービスをカスタマイズできることが最大の特徴だ。
Panasonic Automotive Systems Company of Americaの社長を務めるTom Gehardt氏は、「自動車産業にとって、通信接続サービスとモバイルコンテンツを自動車で利用できるようにすることは、消費者にアピールすると同時に製品の差異化を実現する上で極めて重要である。Aupeoのような、ユーザーそれぞれの好みにカスタマイズできる音楽配信サービスを、モバイル通信によってどこでも利用できるプラットフォームは、パナソニックが展開する自動車分野の製品ラインアップを補完する技術になる」と述べている。
パナソニックは、カーオーディオやカーナビゲーションシステムなどの車載情報機器を、Aupeoの音楽ストリーミングサービスと連携させることで他社との差異化を行いたい考えだ。
売上高2兆円に向けて積極的に事業買収
パナソニックは、2013年3月28日に発表した中期計画で、2018年度までに自動車分野の売上高を2012年度比で2倍となる2兆円まで伸ばす方針を表明している(関連記事:パナソニックが自動車分野の売上高を2兆円へ、「デンソー、ボッシュに並ぶ」)。
同社社長の津賀一宏氏は、この目標達成に向けて、「他社との協業や事業買収を積極的に進める必要がある」と語っている。Aupeoの買収は、その方針にのっとったものとみられる。
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