スバル初のハイブリッド車、燃費はベース車と比べて11%向上:エコカー技術
富士重工業は、「ニューヨーク国際自動車ショー」において、同社初のハイブリッド車(HEV)となる「スバル XV クロストレック ハイブリッド」を公開した。燃費は、ベース車の「スバル XV クロストレック」と比べて、市街地走行モードと複合モードで約11%向上している。
富士重工業は2013年3月29日、「ニューヨーク国際自動車ショー」(一般公開日:2013年3月29日〜4月7日)において、同社初のハイブリッド車(HEV)となる「スバル XV クロストレック ハイブリッド」を公開した。クロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)である「スバル XV クロストレック」をベースとしたHEVで、米国市場で2013年秋に発売する予定である。
スバル XV クロストレック ハイブリッドのパワートレイン構成は、排気量2l(リットル)の水平対向4気筒「ボクサーエンジン」とリニアトロニックCVT(無段変速機)に、最高出力10kW/最大トルク65Nmのモーターと、容量5.5Ahのパナソニック製ニッケル水素電池を組み合わせたものになっている。同社独自の四輪駆動システム「シンメトリカルAWD」を採用しており、走行性能の高いHEVに仕上がっている。
エンジン排気量はベース車のスバル XV クロストレックと同じである。ただし、エンジンそのものは、フリクション低減を徹底するなど、HEV専用のものになっている。最高出力は110kW(6000rpm)、最大トルクは196Nm(4200rpm)である。モーターは、トランスミッションのプライマリプーリーの後方に位置しており、トランスミッションケースの中に組み込まれている。ニッケル水素電池パックは荷室下部に配置した。荷室容積や、前後左右の重量配分、重心高は、ベース車と同等レベルを実現しているという。
スバル XV クロストレック ハイブリッドは、時速25マイル(40km)まではモーターだけで走行する。時速25マイル以上に加速する場合には、モーターとエンジンの両方を動作させる。一定以上の速度になると、モーターの動作を停止する。減速時は、回生ブレーキによって減速エネルギーを電力に変換し、ニッケル水素電池パックに充電する。
スバル XV クロストレック ハイブリッドの燃費は、市街地走行モードで28mpg(11.9km/l)、高速走行モードで34mpg(14.5km/l)、市街地走行と高速走行の両方を行う複合モードで31mpg(13.2km/l)となっている。一方、ベース車であるスバル XV クロストレックの米国仕様(CVT搭載モデル)の燃費は、市街地走行モードで25mpg(10.6km/l)、高速走行モードで33mpg(14.0km/l)、複合モードで28mpg(11.9km/l)。ハイブリッド化によって、市街地走行モードと複合モードの燃費が約11%向上していることになる。高速走行モードは、3%程度しか向上していない。
モーター出力は「フィット ハイブリッド」と同じ
モーターの最高出力が10kWのHEVといえば、ホンダの「インサイト」や「フィット ハイブリッド」がある。これらの車両に搭載されているハイブリッドシステム「IMA」は、小型・軽量が特徴で、ベース車と比べても車室空間を犠牲にせずに、低コストで導入できることがメリットとなっている。スバル XV クロストレック ハイブリッドのハイブリッドシステムも、同様のコンセプトで開発されたものとみられる。
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