ディーゼルHEVと走行距離300kmのEV、三菱自が次世代環境対応車の方向性を示唆:「アウトランダーPHEV」の次の一手
三菱自動車は、「第83回ジュネーブ国際モーターショー」において、FR車向けのディーゼルハイブリッド(HEV)システムを搭載するピックアップトラック「MITSUBISHI Concept GR-HEV」と、満充電からの走行距離が300kmの電気自動車(EV)「MITSUBISHI Concept CA-MiEV」を参考出品する。
三菱自動車は2013年2月13日、「第83回ジュネーブ国際モーターショー」(2013年3月7〜17日、スイス・ジュネーブ)において、FR車向けのディーゼルハイブリッドシステムを搭載するピックアップトラック「MITSUBISHI Concept GR-HEV(以下、GR-HEV)」と、満充電からの走行距離が300kmの電気自動車(EV)「MITSUBISHI Concept CA-MiEV(以下、CA-MiEV)」という2台のコンセプトカーを参考出品すると発表した。販売が好調なプラグインハイブリッド車(PHEV)「アウトランダーPHEV」に続く、三菱自動車の新たな環境対応車として注目を集めそうだ。
GR-HEVは、新興国などで人気の高いピックアップトラックについて、環境性能と走行性能を両立させた「SUT(スポーツユーティリティトラック)」をコンセプトに開発した。ミニバン「デリカD:5」などに搭載するクリーンディーゼルエンジンと、独自のハイブリッドシステムを組み合わせて開発を進めているFR車向けディーゼルハイブリッドシステムによって、CO2排出量を走行距離1km当たり140g台に抑えられるとしている。これは、同クラスの車種でトップレベルの環境性能になるという。
さらに、小型SUV(多目的スポーツ車)「パジェロ」で培った「スーパーセレクト4WD」と、車両運動統合制御「S-AWC(Super All Wheel Control)」を組み合わせた次世代の4WDシステムを採用。どのような道路環境でも優れた走行性能を引き出せるようにする。
一方、CA-MiEVは、高エネルギー密度の二次電池や、高効率のEVシステム(モーター、インバーター、回生ブレーキ、非接触充電システム)といった、開発中の次世代EV技術を搭載する。ボディの徹底した軽量化や空力性能の向上も図ることで、満充電からの走行距離を300kmに拡大できるという。CA-MiEVの車両サイズは明らかになっていないものの、同社が量産販売中のEV「i-MiEV」の次世代モデルとなる、小型EVである可能性が高い。
三菱自動車は、「これら2台のコンセプトカーに搭載する次世代先進技術によって、環境対応と新興国対応を両立していく」としている。
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