日産、ダイムラー、フォードが燃料電池車開発で協業、2017年に量産へ:トヨタとBMWは2020年に市場投入
日産自動車、Daimler(ダイムラー)、Ford Motor(フォード)の3社は、究極のエコカーとして知られる燃料電池車の開発を加速させるために協業すると発表した。市場が受け入れ可能な燃料電池車を2017年に量産することが目標。
日産自動車、Daimler(ダイムラー)、Ford Motor(フォード)の3社は2013年1月28日(欧州時間)、水素を燃料として走行する燃料電池車の開発を加速させるために協業することで合意したと発表した。3社は、市場が受け入れ可能な燃料電池車を、2017年に量産する計画である。
燃料電池車の開発で協業を発表した3社の首脳。左から、フォードのグループバイスプレジデントのRaj Nair氏、ダイムラーの取締役会メンバーの Thomas Weber氏、日産自動車副社長の山下光彦氏(クリックで拡大) 出典:ダイムラー
コスト削減と関連業界に対する「メッセージ」が目的
燃料電池車は、燃料電池が水素と酸素から生み出す電力で動作するモーターで走行する。電気自動車と同様に二酸化炭素や窒素酸化物などの排気ガスを出さない一方で、1回の水素ガスの充てんで500km以上という長距離の走行が可能な究極のエコカーとして期待されている。
今回の合意の狙いは2つある。1つは、燃料電池車開発にかかる膨大なコストの削減である。加えて、3社が持つ技術を融合すれば、5年後の2017年に「市場が受け入れ可能な燃料電池車の世界初の量産」が可能になると見込んでいる。燃料電池そのものや、燃料電池車に搭載するシステムの研究開発は、3社の開発拠点で並行して進めるとしている。
もう1つの狙いは、燃料電池車の部品サプライヤーの開発取り組みや、燃料電池車に燃料となる水素を補給する水素ステーションの整備などを促進させるためのメッセージだという。
トヨタ自動車とBMWが2013年1月24日に発表した提携内容にも、「燃料電池システムの共同開発」が含まれている(関連記事)。両社が共同開発する燃料電池車の市場投入時期は2020年となっていた。
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