「量産の準備は整っている」、日産が燃料電池車「TeRRA」を発表:最初はTERRANOと間違えました
日産自動車は、「パリモーターショー 2012」において、燃料電池車のコンセプトカー「TeRRA(テラ)」を公開すると発表した。同社が、燃料電池車の新モデルを発表するのは、2005年12月の「X-TRAIL FCV」以来、約7年ぶり。
日産自動車は2012年9月12日、フランスのパリで9月27〜10月14日に開催される「Le Mondial De L' Automobile(パリモーターショー) 2012」において、燃料電池車のコンセプトカー「TeRRA(テラ)」を公開すると発表した。同社が、燃料電池車の新モデルを発表するのは、2005年12月の「X-TRAIL FCV」以来、約7年ぶり。
「TeRRAは純粋なコンセプトカーですが、水素(インフラ)が広く普及すれば、すぐに燃料電池自動車を量産する準備が整っているという、日産の姿勢を示すものです」(リリース文から抜粋)というコメントの通り、トヨタ自動車やホンダとともに、2015年までに日産自動車が国内市場導入を目指している燃料電池車の開発の方向性を示すものになっている。
TeRRAは、「ムラーノ」や「キャシュカイ」(日本市場では「デュアリス」)に代表される都市部向けのクロスオーバータイプのSUV(スポーツ多目的車)をベースに開発された。電気自動車(EV)「リーフ」の電動システムによって前輪を駆動し、後輪はコンセプトカー「PIVO 2」や「PIVO 3」と同様にインホイールモーターで駆動する、四輪駆動車となっている。前輪と後輪を独立したモーターで駆動するので、ドライブシャフトが不要になり、車室の床やアンダーボディに突起がない。
燃料電池セルは、一般的なガソリン車における車両前部のエンジンルームに配置している。「出力密度が2.5kW/l(リットル)で、使用する貴金属の量を4分の1に減らしてトータルコストを6分の1に削減した」(同社)とあることから、2011年10月に発表した新型の燃料電池スタック(関連記事)を採用しているようだ。
運転席のインストルメントパネルは、タブレット端末になっている。ドライバーは、このタブレット端末を、インストルメントパネル部に差し込んで車両を起動させる。このタブレット端末は、速度などを表示するグラフィックメーターとして動作する以外に、映像や音楽などのエンターテインメント、通信、カーナビゲーションといった機能も備えている。車両の外に持ち出す際には、一般的なタブレット端末と同じ機能を利用できるという。
ちなみに、日産自動車は、北米市場向けのコンパクトSUVとして「XTERRA(エクステラ)」を展開している。XTERRAは、2001年に同社が北米市場で公道走行実験を行った燃料電池車のベース車両にもなっている。また、北米市場向けのSUV「パスファインダー」は、2002年まで国内市場で「TERRANO(テラノ)」という名称で販売されていた。
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