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燃料電池車を空港タクシーに利用、ホンダのFCXクラリティ電気自動車

自動車メーカー3社は、燃料電池車(FCV)の量産を2015年に開始する予定だ。現在は、研究開発や量産車開発に向けた実証実験を重ねている。ホンダは、成田国際空港で使うタクシーとしてFCV「FCXクラリティー」の提供を開始した。

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 自動車各社は2015年の燃料電池車(FCV)量産に向け、研究開発からリース提供までさまざまな取り組みを進めている。国内では日産自動車、トヨタ自動車、ホンダ(本田技研工業)が水素を燃料とするFCV量産を目指す*1)

*1)自動車メーカー3社とエネルギー事業者10社は、2015年に向けた共同声明「燃料電池自動車の国内市場導入と水素供給インフラ整備に関する共同声明」を2011年1月に発表している。共同声明では太平洋ベルト地帯に位置する4大都市圏とこれらを相互に結ぶ高速道路に水素供給インフラを整備するとしている。

 例えば、特定用途に向けて水素ステーションを設置し、FCVを営業運転などに用いる試みだ。このような試みは走行実証実験の性格を帯びており、走行データなどを研究開発や量産車向けの開発に生かしていく。

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図1 FCXクラリティーと成田水素ステーション FCXクラリティーは4人乗りのセダン車、全長は4845mm。固体高分子形燃料電池(PEFC)を搭載し、水素を電力に変換する。出力は100kW。10・15モードの走行距離は620km。ホンダは2002年に初代FCVである「FCX」を出荷、その後、2009年にFCXクラリティーのリース販売を開始した。

 ホンダは、空港サービス向けハイヤー車両として2011年9月5日からFCVである「FCXクラリティ」の提供を開始した(図1)。成田国際空港を拠点とするハイヤー走行実証実験に使うためだ。全日本空輸が成田国際空港が国際線旅客サービスのハイヤー車両として用いる。松崎交通に運行を委託した。

 今回の取り組みは自動車メーカーなど18社が加盟する水素供給・利用技術研究組合(HySUT)からの要請に応えたものだという。HySUTは2011年度から新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)より「地域水素供給インフラ技術・社会実証〔1〕技術・社会実証」の公募事業を受託している。HySUTはFCVの走行実験として「第三者フリート走行実証」*2)を企画、自動車メーカー3社が参加することになった。

*2)HySUTによれば第三者フリート走行実証とは、自動車メーカーから提供されたFCVの運行をタクシー・ハイヤー会社に委託し、高速道路などを利用した営業運行を行うことで、普及期のFCV、水素ステーションの課題を確認していくものだという。

 トヨタ自動車はFCV「FCHV-adv」を使い成田空港を拠点とした実証研究を2011年4月に開始、日産自動車もFCV「X-TRAIL FCV」を使い羽田空港を拠点とした実証研究を同時に始めている。

 なお、HySUTは、今後、日光市でこれまでのような固定式ではなく、移動式水素ステーションを使った技術・社会実証を開始する予定だ。


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