ルネサス販売の再販事業などが立花エレテック子会社に売却、事業規模は80億円:ビジネスニュース
ルネサス エレクトロニクスは、同社製品の販売会社であるルネサス エレクトロニクス販売(ルネサス販売)の再販事業とコンポーネント製作事業を、大手半導体商社・立花エレテックの100%子会社である立花デバイスコンポーネントに売却する。売却する事業の売上高規模は約80億円。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2012年12月27日、同社製品の販売会社であるルネサス エレクトロニクス販売(以下、ルネサス販売)の半導体製品再販事業(以下、再販事業)と部品調達ならびに電子部品などのコンポーネント製作事業(以下、コンポーネント製作事業)を、大手半導体商社・立花エレテックの100%子会社である立花デバイスコンポーネントに売却すると発表した。2013年2月1日に事業譲渡を完了する予定。売却額は2013年1月31日時点での評価額としており、具体的な金額は公開していない。
ルネサス販売は、ルネサス製品を販売するだけでなく、液晶ディスプレイモジュールや半導体、電子部品などをルネサス以外の企業から購入して再販する事業も手掛けている。さらに、これらの購入品とルネサス製品を組み合わせたコンポーネントを製作して販売する事業も行っている。今回、立花デバイスコンポーネントに売却するのは、これらの事業である。売却する事業の売上高規模は約80億円(2012年度見込み)。関連する20数人の人員は、立花デバイスコンポーネントに転籍する。
ルネサスとルネサス販売は、顧客の直販比率の高まりによって再販事業の売上高が減少していたため、コンポーネント製作事業と併せて今後の方向性を検討していた。一方、立花エレテックは、半導体・デバイス製品の販売および技術商社としての事業強化を進めている。ルネサスと立花エレテック、それぞれの思惑が一致したことにより、今回の事業売却の最終契約に至ったという。
ルネサス販売が売却する再販事業とコンポーネント製作事業は、ルネサスが決算で発表している「売上高」と「半導体売上高」の差分に含まれている。2012年12月10日に発表した2012年度(2013年3月期)の業績予想では、売上高が8200億円、半導体売上高が7600億円だった(関連記事)。
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