ルネサスの通期業績は売上高500億円減も利益は維持、産業革新機構の出資も決定:ビジネスニュース
ルネサス エレクトロニクスは、2012年度の通期連結業績予想を下方修正した。売上高は約500億円減少するものの利益面は予想を据え置いた。官民ファンドの産業革新機構、トヨタ自動車、パナソニック、キヤノンなど9社から総額1500億円の出資も決定した。
ルネサス エレクトロニクスは2012年12月10日、2012年度(2013年3月期)の通期連結業績予想を下方修正すると発表した。
修正後の通期連結業績予想値は、売上高が前回予想(2012年8月)発表比で480億円減の8200億円、半導体売上高が同510億円減の7600億円となった。売上高減少の理由は、欧州の債務・金融問題の長期化、中国をはじめとする新興国経済のさらなる減速、日中関係の不透明化による需要への影響などにより、半導体売上高が想定を下回る見込みになったため。マイコン、アナログ&パワー半導体、SoC(System on Chip)の3事業とも、売上高が前回予想を下回るという。2012年度第3四半期以降の想定為替レートは、1米ドルが81円、1ユーロが105円。同第2四半期決算の為替レートは、1米ドルが79円、1ユーロが98円だった。
利益面については、生産効率化やさらなる費用削減施策を進めることにより、前回予想からの変更はない。前回予想では、営業損益が210億円の黒字、経常損益が100億円の黒字、当期純損益が1500億円の赤字だった。
なお、同社は、本日17時半から、官民ファンドの産業革新機構、トヨタ自動車、日産自動車、ケーヒン、デンソー、キヤノン、ニコン、パナソニック、安川電機から総額1500億円の出資を受ける案件について会見を開く予定である(会見の詳細記事)。
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