ルネサスが青森の後工程工場を売却、香川の半導体受託生産企業に:ビジネスニュース
ルネサス エレクトロニクスは、半導体の後工程工場であるルネサスハイコンポーネンツ(青森県鶴田町)を、香川県高松市に拠点を置くアオイ電子に売却する。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2012年10月12日、半導体の組み立てを行う後工程工場であるルネサスハイコンポーネンツ(青森県鶴田町)を、香川県高松市に拠点を置くアオイ電子に売却すると発表した。売却価格は非公開となっている。
ルネサスは、2012年8月に発表した収益基盤強化策(関連記事)の中で、国内の8工場(9ライン)を売却もしくは閉鎖する方針を示している。今回売却されることになったルネサスハイコンポーネンツについては、「生産負荷に応じた適正体格で運営を続け、1年以内をめどに譲渡(売却)する」という計画になっていた。
売却に当たっては、ルネサスハイコンポーネンツの親会社である、ルネサスの100%子会社のルネサス東日本セミコンダクタが、アオイ電子にルネサスハイコンポーネンツの全株式を譲渡する。譲渡完了日は2013年1月1日。また、ルネサスハイコンポーネンツの外部受託生産事業を担当していた、ルネサス東日本セミコンダクタの営業部門と人員も併せて譲渡する。2011年度(2012年3月期)のルネサスハイコンポーネンツの業績は、売上高が59億5900万円、営業利益が3億7500万円。2012年4月時点の従業員数は約400人。
アオイ電子は、半導体の組み立てや試験など後工程の受託生産を主力事業としている。同社の2011年度業績は、売上高が261億円、営業利益が11億6600万円。2012年3月末時点の従業員数は1482人。
事業規模の拡充や生産体制の効率化に加え、将来の業容拡大を目指した製品開発の効率化とスピードアップ、さらには災害などへのバックアップ拠点を必要としていたアオイ電子と、従業員の雇用を確保しながら工場売却を目指すルネサスの意向が合致した。
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