ニュース
ルネサスがリストラ費用970億円を調達、1600億円の短期借入金も長期に借り換え:ビジネスニュース
ルネサス エレクトロニクスは、大株主3社と主力取引銀行4行から970億円を調達したと発表した。8月に発表した収益基盤強化策における早期退職募集や工場再編の資金として用いる。一方、米国投資ファンドのKKRや、産業革新機構による出資の報道については、「決定した事実はない」としている。
ルネサス エレクトロニクスは2012年9月28日、8月2日に発表した収益基盤強化策(関連記事)における早期退職募集や工場再編に必要な資金として970億円を調達したと発表した。大株主であるNEC、日立製作所、三菱電機の3社と495億円の融資契約を、主力取引銀行である三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友信託銀行、三菱UFJ信託銀行の4行から475億円を長期借り入れする契約を結んだ。両契約の実行日は2012年10月1日。
併せて、先述の主力取引銀行4行と、合計1610億9000万円の短期借入金を、長期借入金として借り換える契約も結んだ。数カ月から1年以内に返済する必要がある短期借入金を、長期借入金に借り換えることで、長期的な運転資金を確保することができる。この長期借入金の返済期間は公開していない。
なお、米国の投資ファンドKKR(Kohlberg Kravis Roberts)による1000億円の出資や、産業革新機構、トヨタ自動車、パナソニックなどによる1000億円もしくは2000億円の共同出資に関する報道については、「当社から発表したものではなく、決定した事実もない」(ルネサス広報部)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサスが収益基盤強化策を発表、2014年度の営業利益率は10%以上に
ルネサス エレクトロニクスが収益基盤の強化策を発表した。ホームマルチメディア(デジタル家電)向けSoC(System on Chip)の新製品開発中止や、国内生産拠点再編の詳細決定が中心となっている。これらの施策により、2014年度に営業利益率10%以上の達成を目指す。 - 「退任よりも再建計画の実行が自分の責任」、いまルネサス社長が掲げる4つのプラン(前編)
米投資会社から1000億円の資金提供を受けると報道されたルネサス。その報道の数時間後、EE Timesはルネサス社長の赤尾泰氏に単独インタビューを実施。同社の再建計画について話を聞いた。前編と後編に分けて公開する。 - SoCを分離すると顧客の期待に応えられない、3つの製品分野一体の強みを生かす
厳しい事業環境にある、半導体メーカーのルネサス エレクトロニクス。しかし、中核に位置する車載半導体事業の実力は、世界でもトップクラスだ。同社で車載半導体製品のマーケティング戦略を統括する金子博昭氏に、製品開発の方向性や、強みを生かすための施策について聞いた。