「インテリジェントシステム」のさまざまな“カタチ”をアピールする、インテルとマイクロソフト:ET2012 展示会場リポート(3/3 ページ)
2012年11月14〜16日の3日間、下半期最大規模の組み込み関連技術イベント「Embedded Technology 2012/組込み総合技術展(ET2012)」がパシフィコ横浜で開催された。本稿では、「インテリジェントシステム」をブーステーマに掲げるインテルと日本マイクロソフトの出展内容を中心に、ET2012の展示会場の様子をリポートする。
その他の企業、展示デモにも注目
ARM
ARMのブースでは、同社がモバイル向けに開発した処理パフォーマンスに優れる「Cortex-A15」プロセッサを搭載した最終製品の展示や、Cortex-A15と電力効率に優れる「Cortex-A7」を組み合わせたSoCソリューションである「big.LITTLE処理」の説明が行われていた(関連記事3)。
ARMによるモバイルデバイスの最終製品の展示。Amazonの「Kindle Fire HD」やSamsung Electronicsの「Chromebook」「GALAXY Tab 7.7」なども展示
ARM・ブースにパートナー出展していたソフィアシステムズのタッチパネル液晶搭載デバイス開発向け多機能プラットフォーム「Collage-MX6Q」。こちらは「Cortex-A9」を搭載し、Android 4.0.4とLinux 3.0.15をサポートする
パナソニック
また、パナソニック・ブースでは、2012年10月1日に組織再編でパナソニック デバイス社から独立したシステムLSI部門が、ASICの外販を開始したことをアピールしていた。これまでは、パナソニックグループ内向けがほとんどだったが、高品質設計による一発動作、ASSP開発で培った短TAT(Turn Around Time)開発フローによる早期市場投入、セット開発経験に基づく技術コンサルティングなどを武器に、今後は積極的に外販を進めていく方針だ。
パナソニックが参考出展していた「監視カメラ向けソリューション」では、小型魚眼カメラ用回折レンズ、デジタルマイクロレンズ(DML)搭載イメージセンサー、視点変換パノラマLSIの3つを新規開発して小型・高性能を実現していた。
小型魚眼カメラ用回折レンズは、従来の球面ガラスレンズ(屈折レンズ)を使う代わりに、回折レンズと屈折レンズを組み合わせた非球面樹脂レンズを使用して、レンズ枚数を減らして波長による色ズレの発生も抑えた。オンチップマイクロレンズを搭載した従来のイメージセンサーでは、光の入射角や広角周辺光量に限界があり画質低下を招いていたが、新開発のイメージセンサーは、センサー上に微細な粗密構造で屈折率を変化させられるDMLを載せて、高角度集光と高い周辺感度を得たという。視点変換パノラマLSIは、180度の視野を持つカメラから任意のエリアをリアルタイムに切り出すことができ、前述のレンズ、イメージセンサーと組み合わせて使用することで、“メカなし”でのパン/チルトが可能になる。
富士通セミコンダクター
富士通グループのブースに出展していた富士通セミコンダクターは、ET2012 ETアワード スマートエネルギー部門 優秀賞を受賞した「エコ&スマートLED照明ソリューション」を展示していた。これは、電池レスリモコンにより、LED照明の明るさを自動で調整できるソリューションである。
電池レスリモコンは、ARMの「Cortex-M3」を搭載する超低消費電力のマイコン「MB9AF132L」と照度センサー、Energy Harvesting PMICを組み合わせて実現している。太陽電池からの電力だけで、2.4GHz帯の無線通信経由でLED照明のコントロールを可能にしている。リモコン側に照度センサーを持たせることで、環境に応じた自動的な照度調節を実現できる。
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