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CTスキャンした大腿骨のモデルに解析メッシュを切る3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(19)(2/4 ページ)

今回は、実物をスキャンし、そのモデルに解析メッシュを切るツールの話。大腿骨のインプラントデータ作成を例にその作業の流れを見ていく。

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 まず、「Threshold(閾(しきい)値)」でグレースケール値(白黒の濃淡)に基づいて閾値内の全てのピクセルを抽出し、さらに「FloodFill(塗りつぶし)」という機能を使って大腿骨の空洞部分を抽出します。最後に「morphological(形態変形)」という機能で微小な構造の処理を施します。


morphological後

 これらの一連の処理をすることで、上記の画像のように修正が施されたことが分かります。さらに、スムージング処理とノイズ除去をします。


スムージング処理後

ノイズ除去後

 骨の内部のマスク作成は、前述のようにFloodFillを使います。


骨の内部のマスク作成(水色の箇所)

 この後に、骨と骨の内部のマスクの色を“骨っぽい”色(アイボリー)に変更します。


骨っぽい色にした

 色の設定自体は解析メッシュの作成には関係ないので、自分が分かりやすければ、してもしなくても構いません。

メッシュの作成と材料の定義

 ここまでできたところで、いよいよ解析メッシュを作成します。これも細かい手順がありますが、ここでは省略します。Simplewareでは、「テトラアダプティブ」「テトラのみ」「テトラ・ヘキサ混在」「ボクセル」などの種類を選ぶことができます。従って、ハードウェアのパワーなども合わせて考慮しつつ、自分にとって最適であろうメッシュ作成の方法が選択できます。メッシュ数については、求める解析解の精度に応じて、「粗密」を考慮可能です。

 ここでは「+FE Free」のアルゴリズムを使用してメッシュを作成します。このアルゴリズムではテトラ要素のみでのメッシュ作成になります。

 またメッシュ作成の際には、材料が定義可能です。


材料定義

境界条件の考慮

 解析の境界条件の設定では、節点集合を用いたりしますが、ここでは下部(Zmin)に拘束条件を当たるために節点を定義します。節点の定義は下図の通りに設定します。


接点の定義

 サマリー(Summary)に「Boundary_Zmin(下部の境界)」が「Femur(大腿骨)」「Femur Cavity(骨髄)」それぞれに定義されていることが分かります。

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