無限のGTレースカー、ステアリングのど真ん中にWindowsシステムを搭載:ET2012
TEAM 無限のレースカー「MUGEN CR-Z GT」は、ステアリングの中央部に、「Windows Embedded CE 6.0」をベースOSとするドライビングアシストコンソール(レースカー向けのナビゲーションシステム)を搭載している。
ソフトウェアの受託開発を手掛けるサムシングプレシャスは、「Embedded Technology 2012/組込み総合技術展(ET2012)」(2012年11月14〜16日、パシフィコ横浜)において、TEAM 無限のレースカー「MUGEN CR-Z GT」に搭載されているドライビングアシストコンソール(レースカー向けのナビゲーションシステム)を展示した。
MUGEN CR-Z GTは、カーレース「SUPER GTシリーズ」の「GT300クラス」に参戦しているTEAM 無限のレースカーである。ホンダのハイブリッド車「CR-Z」をベースに、「無限」ブランドで製品開発やカーレース参戦を行っているM-TECが開発した。2012年7月の第4戦から参戦しており、同年9月の第6戦では3位に入るなど活躍している。
ドライビングアシストコンソールは、車載ネットワークからの制御データや内蔵したセンサーからのデータを基に、ドライバーがレースを行う上で必要な情報をリアルタイムで表示するシステムである。ステアリングの中央に、ディスプレイを縦にして組み込んでいるので、ドライバーは情報確認を行いやすい。
ドライビングアシストコンソールのベースOSには、Microsoftの「Windows Embedded CE 6.0」を採用した。これにより、従来と比べて表現力のあるユーザーインタフェースを容易に開発できたという。サムシングプレシャスは、Windows Embedded CE 6.0の移植やデバイスドライバの実装など、下層のソフトウェア開発を担当した。
なお、このドライビングアシストコンソールと同じ製品は、ドライブレッスンプログラム「Honda Sports&Eco Program」向けに、M-TECがチューニングしたCR-Zにも搭載されている。ただし、ステアリングの中央部ではなく、一般的なカーナビゲーションと同様にダッシュボード中央のヘッドユニット部に組み込まれている。
今後M-TECは、このドライビングアシストコンソールを、他の車両にも展開する計画である。
関連キーワード
Windows Embedded 関連 | CR-Z | Windows CE | Windows Embedded | カーナビゲーションシステム | Embedded Technology | Embedded Technology 2012(ET2012) | 本田技研工業 | ハイブリッドカー | Microsoft | SUPER GT
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電気自動車のF1「Formula E」が2014年に開幕、第1戦はリオデジャネイロ
電気自動車(EV)フォーミュラカーのレースである「Formula E」が2014年に開幕する。第1戦は、ブラジルのリオデジャネイロでの開催が決まった。 - アウディvs.トヨタ、2012年「ル・マン」から始まるハイブリッドレースカー戦争
アウディの圧勝で終わった、2012年の「ル・マン24時間耐久レース」。しかし、最も注目されたのは、レース結果よりも、アウディとトヨタ自動車が投入したハイブリッドレースカーの争いであろう。両社は、それぞれの思想に基づき、異なるハイブリッド機構を導入していたのだ。 - ヒルクライムレースのEVクラスで哀川翔監督チームのトヨタ車が優勝、総合は6位
「パイクスピークインターナショナルヒルクライム2012」の電気自動車(EV)を対象とするエレクトリッククラスで、俳優の哀川翔氏がチーム監督を務める「Show Aikawa World Rally Team」のトヨタ製のEVレースカー「TMG EV P002」が優勝した。