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Femap V11の新機能の一部が明らかにシーメンスPLMソフトウェアの新製品

シーメンスPLMソフトウェアの有限要素解析向けプリ・ポストツール「Femap」の新版V11は、「VBO(Vertex Buffer Object)」を採用し解析モデル表示速度が大幅にアップ。また新機能「結果のアタッチ」はソルバの解析結果をファイルに含めないことでFemapのモデルサイズを最小にできる。

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 シーメンスPLMソフトウェアは2012年10月18日、「Femap V11」の最新機能やリリース予定を明らかにした。FemapはWindowsベースで直感的に使えるマルチCADかつ、マルチソルバ対応のプリ・ポストツールだ。線形静的解析や熱伝導解析などの有限要素解析の手間を大幅に省くことができる*1)。V11の主要な改良点は2つ。グラフィックス性能の改善と、解析モデルサイズの増大化への取り組みだ。

 今回は頂点バッファオブジェクト「VBO(Vertex Buffer Object)」を採用し解析モデルの表示速度が大幅にアップしたとのこと。同社が4.5M接点/要素ある解析モデルの動的回転表示スピードをV11(β版)で計測したところ、V10.3.1と比較して約8倍の速さだったという。

*1) Femapの利用方法は以下の通り。まず、対応CADの3次元データを読み込み(Femap内でのモデリングも可能)、メッシングツールを使って、自動的に適切なメッシュを生成する。メッシュの手動修正も可能。次に、Femapに内蔵する材料データベースから材料を指定し、荷重や拘束などの条件を設定する。その後、外部のソルバを起動する。ソルバの計算結果は即座にFemapのメッシュデータ上に可視化される。Femap利用時にはCADのライセンスは不要である。APIを備えており、外部のツールに組み込んで利用することも可能。

 新機能「結果のアタッチ」は、ソルバの解析結果を含めないことでFemapの解析モデルサイズ(modfemファイルの容量)を最小にできる。データベースに結果をキャッシュしないため、メモリ使用量も最小化可能だ。従来は、ソルバの結果ファイルもmodfemファイル内にコピーしていた。新機能は、必要なソルバの結果を参照するためのデータ(ポインタ情報)だけをmodfemファイル内に保存できる。また、一部の結果データだけをmodfemファイルに持ってくることも可能だ。

 新機能のデメリットとしては、ソルバ側の結果データが削除されてしまうと、modfemファイルも見られなくなってしまうこと。こちらについては、補助機能での対策を検討しているとのことだ。


今回の説明にあたったシーメンスPLMソフトウェア Femap 担当開発マネージャー マーク・シャーマン(Mark Sherman)氏:ボーイング・ヘリコプターなどで設計技術者として従事した後、1992年にFemapの開発元のEnterprise Software Products(ESP)に入社。

 V11のリリースは2012年12月を予定しており、(日本も含めて)出荷は来年初頭になる見通しだ。


機能について補足説明するシーメンスインダストリーソフトウェア(シーメンスPLMソフトウェアの日本法人) アジアパシフィック Velocity Series ディレクター、ビジネスデベロップメント 千葉誠司氏:左にあるツリーの要素をクリックしていくことで操作できる。右クリックだけで可能な操作も多い。ユーザーによるUIのカスタムも可能だ。

結果表示の例(「Femap with NX Nastran」による)

 なおFemapが対応する3次元CADは、下記の通り。

  • Solid Edge
  • SolidWorks
  • NX
  • I-deas
  • AutoCAD
  • Unigraphics
  • MicroStation
  • Pro/ENGINEER
  • CATIA V4およびV5(ただしV5はアドイン製品)

 対応ソルバは、下記(代表的なもの)。

  • NX Nastran
  • TMG
  • Adina
  • MSC Nastran
  • ABAQUS
  • ANSYS
  • LS-DYNA
  • SINDA

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