「ダンロップ」タイヤが目指す“ダントツ技術”、技術の押し売りはダメ:低燃費タイヤで世界シェア10%へ
「ダンロップ」ブランドで自動車用タイヤを展開する住友ゴム工業が、2020年を見定めた長期ビジョン「VISION 2020」を発表した。2020年には低燃費タイヤの世界シェア10%を目指している。
「ダンロップ」ブランドで自動車用タイヤを展開する住友ゴム工業が、2020年を見定めた長期ビジョン「VISION 2020」を発表した。売上高1兆2000億円、営業利益率12%以上を目指す。
VISION 2020では、「Go for NEXT」をスローガンに、3つのNEXTを掲げる。1つ目は、「NEXT Market Expansion 〜新市場への挑戦〜」だ。主に新興市場や中国市場におけるタイヤ需要増を見越し、新規工場の建設や増産を積極的に展開する。具体的には、2020年度の新興市場における販売比率を2011年度の2倍となる20%に伸ばす。
2つ目は、「NEXT Technology Evolution 〜飽くなき技術革新〜」。タイヤを中心に新たなニーズに応じた新商品を開発し、“ダントツ技術”を確立する。すでにダンロップタイヤでは、転がり抵抗(転がりやすさ)とウエットグリップ(止まりやすさ)という相反する性能を高い次元で両立する低燃費タイヤを世に送り出してきた。2020年には世界シェア10%を目指している。
同社でタイヤ技術本部長を務める西実氏は、「何より大切なのは、お客さまがどういうタイヤを欲しがっているかということにしっかりと耳を傾けること。その上で、価格、サイズ展開を両立させることが重要です。メーカーとして技術力はもちろん大切ですが、それがお客さまにとって本当にメリットがあるのかどうか、技術の押し売りだけではだめなのです」という。
また、営業本部長を務める山本悟氏は、「国内の低燃費タイヤ売上ナンバー1を達成したのは、業界に先駆けて低燃費タイヤの開発に取り組んだ姿勢がお客さまに評価されたから」と分析している。
3つ目のNEXTは「NEXT Category Innovation 〜新分野の創出〜」だ。海外自動車メーカーへの納品を拡大し、販売比率を現在の5%から35%まで伸ばすという。また、タイヤ以外の分野では、戸建住宅用やビル用の制振ダンパーや、医療用ゴム部品などのヘルスケアビジネスを展開するとしている。
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