EV用急速充電器の有料化が加速、日産出資企業も会員制サービスを立ち上げ:24時間対応のコールセンターも(2/2 ページ)
日産自動車などが出資するジャパンチャージネットワークは、神奈川県を中心とする電気自動車(EV)用急速充電器を有料で利用できる会員制サービスを始める。トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車などが出資する充電網整備推進機構も、同様の会員制サービスを立ち上げており、EV用急速充電器の利用料を有料化する動きが加速している。
店舗によって異なる都度料金
利用料は、月会費とEVへの充電を1回行うごとに掛かる都度料金の組み合わせになる。月会費は、会員の利用頻度に合わせて3つのプランに分かれている。利用頻度の少ない会員向けの「ライトプラン」と比べて、月5回以上利用する会員向けの「バリュープラン」は都度料金が最大25%、月10回以上利用する会員向けの「スーパーバリュープラン」は都度料金が最大33%少なくて済む。また、月会費のプランごとに、都度料金の月額合計から一定の金額が割り引かれる。割り引き金額は最大で、ライトプランが500円、バリュープランが2000円、スーパーバリュープラン4500円。基本料金に一定時間分の通話料が含まれている携帯電話の契約を思い浮かべると分かりやすい。
これら3つのプラン以外に、日産自動車のEV「リーフ」のユーザーなどが契約している、「日産ゼロ・エミッションサポートプラグラム」会員向けの「ZESPプラス」というプランもある。
なお、2013年3月末までは、月会費を、都度料金の月額合計からの割り引き額と同額に引き下げる、期間限定キャンペーンを実施する。
都度料金は、EV用急速充電器の設置場所によって異なる。例えば、ライトプランの会員が、ファミリーマートのEV用急速充電器を利用する場合、1回当たり最大15分の充電で420円になる。びっくりドンキーの場合は、1回当たり最大20分の充電で500円、日産自動車ディーラの場合は、1回当たり最大30分の充電で525円となっている。
一方、東日本高速道路と成田空港は、都度料金を当面無料にしている。さらに、サービスを相互乗り入れするEVSSのEV用急速充電器を利用する場合、プランにかかわらず、充電1回当たり600円になる。
ジャパンチャージネットワークのWebページから、同社の会員が利用できる充電器の所在地を検索できる。
これに対して充電網整備推進機構の場合、認証用カードの登録手数料である1575円の他に、月額の基本料金である1050円(個人ユーザーの場合)を支払うだけで、同社のEV用急速充電器を利用できる。これは、充電を1回行うごとに掛かる都度料金が、2014年3月まで無料になっているためだ。
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