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「フィットEV」が国内リース販売を開始、価格は6年契約で1カ月5万5500円米国は3年契約で1カ月3万円(1/2 ページ)

ホンダは、小型車「フィット」をベースに開発した電気自動車(EV)「フィットEV」の国内リース販売を開始した。自治体や企業向けが中心で、リース契約は6年間、1カ月当たりのリース価格は約5万5500円である。

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 ホンダは2012年8月31日、小型車「フィット」をベースに開発した電気自動車(EV)「フィットEV」の国内リース販売を開始した。主に自治体や企業を中心に、2年間で約200台のリース販売契約を結ぶ予定である。ユーザーは、6年間のリース契約期間の間に、総計で本体価格(税込み)の400万円と同じ金額を支払う。1カ月当たりのリース価格で換算すると、約5万5500円になる。

 なお、先行してリース販売が始まった米国市場では、3年契約で1カ月当たりのリース価格は389米ドル(約3万500円)である。日本市場におけるフィットEVのリース契約は、米国市場と比べて、期間が2倍、リース価格が約1.8倍になっている。


「フィット」だが3ナンバー


ホンダの「フィットEV」。ボディカラーは、このリフレクションブルー・パールのみ。(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 ホンダは2012年7月末に、フィットEVが、JC08モードにおける交流電力量消費率で106Wh/km、一充電走行距離(満充電からの走行距離)で225kmを達成するなど、日本市場で販売されているEVで最高の“電費”を達成したと発表している(関連記事)。

 今回の国内リース販売の開始に合わせて、電費以外のフィットEVの詳細な仕様が明らかになった。以下にその特徴を見ていこう。

 外形寸法は、全長4115×全幅1720×全高1580mm。同じく二次電池を搭載するハイブリッド車(HEV)「フィット ハイブリッド」よりも、全長で215mm、全幅で25mm、全高で55mm大きい。小型車の代名詞と言っていい「フィット」の名を冠しているものの、全幅が1700mmを超えているために3ナンバー車となっている。

 車両重量は1470kgで、車室内寸法は、長さ2040×幅1415×高さ1175mmである。車両の床下にリチウムイオン電池パックを敷き詰めているためか、フィット ハイブリッドよりも全高が55mm高いにもかかわらず、車室内寸法の高さは115mmも低い。

モーターの出力密度は世界最高レベル

 モーターは、燃料電池車「FCXクラリティ」と同様に、ギアボックスを同軸に配置して1パッケージ化している。モーターの出力密度は、FCXクラリティや他社のHEVのモーターよりも高く、「世界最高レベルを達成した」(ホンダ)という。最高出力は92kW、最大トルクは256Nmである。


「フィットEV」のモーター(左)と、出力特性(中央)、トルク密度/出力密度比較(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 モーターの動作やブレーキ回生システムを制御するインバータなどを中心とするPDU(パワードライブユニット)と、車載充電器、車両内部の各種電子機器などに適した電圧で電力を供給するDC-DCコンバータも、PCU(パワーコントロールユニット)として1パッケージに集約した。これらのモーターユニットとPCUを、ガソリンエンジン車におけるエンジンルームに配置することで、車室内の空間効率に影響を与えないように工夫している。


「フィットEV」のモーターやPCU、電池パックのレイアウト(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 リチウムイオン電池パックは、先述のように車両の床下に配置している。リチウムイオン電池セルは東芝の「SCiB」を採用した。SCiBは、長期使用しても電池の容量が劣化しにくいことを特徴としている。ホンダは、電池パックの車両後方側に2個の冷却ファンを設置して効率的に電池セルを冷却できるようにした。SCiBの特徴と冷却ファンの効果により、電池容量のさらなる劣化を防いでいるという。


「フィットEV」の電池パックの構成(左)と、長期使用時における容量劣化の比較。電池パック後部に付けた2個の冷却ファンにより容量の劣化を抑えている。(クリックで拡大) 出典:ホンダ

 充電時間は、家庭用の200V電源で約6時間。CHAdeMO方式の急速充電にも対応しており、約20分間で総容量の80%まで充電できる。

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