特集
設計自動化のベストバランス、自動と手動が8:2(前編):山形カシオの徹底的な金型設計自動化(3/3 ページ)
自動化を過信せず、人だからこそ作り出せる付加価値を大事に! 今回は山形カシオの金型設計・製造の自動化の取り組みを徹底紹介する。
モールドベースの加工パス自動認識、工程自動割り付け
前ページで設計したモールドベースは、同社が独自に培ってきた加工ノウハウに基づいて、工程割り付け(工具選定と段取り)とNCデータ出力を自動実行する。3次元単独図に付加された材質や生産関連の情報はこのフェーズで活躍する。
以下の動画にあるベースは裏表の2面加工となっており、それらを同時かつ自動で工程設計・割り付けが可能だ。
モールドベースCAM
このケースでは加工パスが55本作られた。これらの処理を瞬時に自動実行できる。金型加工における段取りから後処理までの作業は、従来10時間かけていたところ、この自動化により1時間まで短縮した。
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後編では、金型設計全体のフローに占める割合が大きいエジェクタピンの設計について紹介する。山形カシオのユニークな新人研修制度についても取り上げる。
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