アウディのEVスポーツカーが有機ELバックミラーを搭載、Samsung Displayが供給:ル・マンのレースカーも採用
アウディは、車載カメラと、バックミラーの位置に設置したSamsung Display製の有機ELディスプレイを使って車両の後方を確認できる「デジタルリアビューミラー」を開発した。電気自動車(EV)スポーツカー「R8 e-tron」向けに、2012年末から小規模の量産を始める。
Audi(アウディ)は2012年8月9日(欧州時間)、車載カメラとバックミラーの位置に設置した有機ELディスプレイを使って車両の後方を確認できる「デジタルリアビューミラー」を開発したと発表した。電気自動車(EV)スポーツカー「R8 e-tron」(関連記事1)向けに、2012年末から小規模の量産を始める。
このデジタルリアビューミラーは、車両後方を確認するために一般的なバックミラーを利用できない、リアウィンドウを持たないスポーツカーなどの車両向けに開発された。実際に、2012年の「ル・マン24時間耐久レース」に参戦したアウディのレースカーに採用された(関連記事2)。耐久レースという厳しい環境の中でも24時間ずっと動作に問題を起こさなかったという。
R8 e-tronは、リアウィンドウ部に空力特性を得るためのパーツを装着している。デジタルリアビューミラーのカメラはこのパーツの上部に設置される。低温環境になった場合、動作に影響が出ないようカメラを暖めるヒーターも搭載している。カメラに組み付けた直径数mmのレンズにより、一般的なバックミラーよりも広い範囲を映し出すことが可能だ。
カメラの映像を映し出す有機ELディスプレイは、Samsung Displayのアクティブマトリックス方式の製品である。サイズは7.7インチワイド。乗用車にSamsung Displayの有機ELディスプレイが採用されるのは今回が初めて。同社がスマートフォンなどに供給しているアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイは、一般的な液晶ディスプレイと比べて、消費電力が小さく、薄くて軽いのが特徴。
今回発表したデジタルリアビューミラーは、バックガイドモニターのように、車両後方の映像以外の情報を映し出す機能は含まれていない。アウディは、そういった機能を搭載した製品の開発を進めているという。
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