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VWはモジュール化だけじゃない、車載システムの“民主化”にも取り組むESEC2012基調講演リポート(2/2 ページ)

フォルクスワーゲン(VW)で車載電子システム開発部門のトップを務めるVolkmar Tanneberger氏が「ESEC2012」の基調講演に登壇。同社における車載電子システムの開発指針として、注目を集めている「モジュール化」の他にも、「民主化」というキーワードが飛び出した。

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車載電子システムを“民主化”

 ジェスチャーコントロールシステムや駐車支援システムといった最新機能は、高級車から導入が始まるのが一般的だ。Tanneberger氏は、「これらの革新的なシステムを大衆車にも搭載できるように、コストを削減しなければならない」と主張する。コスト削減によって、最新機能を搭載する車種が広がることを、同氏は “民主化(Democratization)”と表現した。

 民主化の例としては、車線変更時に後方車両の存在をレーダーセンサーで検知して知らせる「サイドアシスト」を挙げた。2007年に高級車「Phaeton」で初採用され、その後2011年には中型セダンの「Passat」にも搭載された。今後は、大衆車であるGolfに導入する予定である。

「サイドアシスト」における民主化の事例
「サイドアシスト」における民主化の事例(クリックで拡大)

 グローバル開発については、フォルクスワーゲングループの11ブランドの車両開発に携わっている、世界26拠点の約3万5000人の連携について説明した。米国カリフォルニア州のエレクトロニック・リサーチ・ラボ(ERL)は、Googleの「Google Earth」を使ったナビゲーションを開発している。また、ブラジルのVolkswagen do Brasilが開発した車両追跡システムは、ブラジル以外の地域にも展開中だ。そして、日本のフォルクスワーゲングループ東京技術代表部は、電気自動車やハイブリッド車に搭載する二次電池システムの技術スカウティングで貢献しているという。

グローバル開発の事例
グローバル開発の事例(クリックで拡大)

 最後に標準化では、AUTOSARやCE4Aなどのコンソーシアムによる業界内での標準化の他に、社内標準化についても言及した。Tanneberger氏は、「新興国向けに車載システムを単純化したり現地化したりする場合でも、機械的・電気的インタフェースは必ず社内標準に適合するようにしている」と説明している。

 また、国内の自動車メーカーが推進するCHAdeMO規格と対抗するために、フォルクスワーゲングループをはじめ米国とドイツの自動車メーカーが新規格を発表した電気自動車の充電システムについては、「グローバルスタンダードを確立するためには自動車業界全体の共通した取り組みが必要」と述べるにとどめた(関連記事2)。

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