「RAV4 EV」を「リーフ」と比較、実質価格と電池容量はともに1.7倍:電気自動車(1/2 ページ)
トヨタ自動車は2012年夏後半から、Tesla Motors(テスラ)と共同開発した電気自動車(EV)「RAV4 EV」の販売を開始する。RAV4 EVは、北米市場で販売中の日産自動車のEV「リーフ」と比べると、補助金を含めた実質価格とリチウムイオン電池の容量がともに1.7倍となっている。
トヨタ自動車は、Tesla Motors(テスラ)と共同開発した電気自動車(EV)「RAV4 EV」を、2012年夏後半から米国カリフォルニア州で発売すると発表した(関連記事)。また、RAV4 EVの性能や仕様を、EV技術のシンポジウム「EVS26(26th International Electric Vehicle Symposium)」(2012年5月6〜9日、ロサンゼルス)で公開した。
カリフォルニア州は、各自動車メーカーの同州内における販売台数のうち、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)などのエコカーが一定の比率を占めていなければならないZEV(Zero Emission Vehicle)規制を施行している。
ZEV規制では、2012年〜2014年は販売台数の12%をZEVにする必要がある上に、走行中にCO2を全く排出しないEVもしくは燃料電池車の比率を0.79%以上にしなければならないという条件もある。この0.79%という目標数値をクリアするためには、燃料電池車がまだ量産段階にないことを考慮すれば、2012年の早い段階でEVを販売する必要があることは明白だ。
トヨタ自動車は、PHEVの「プリウスPHV」や、「プリウス」に代表されるHEVを北米市場に投入しているもののEVの開発は遅れていた。そこで、テスラとの共同開発によりEVの市場投入を加速させて、ZEV規制に対応できる状況を作り上げたわけだ。RAV4 EVの3年間の販売目標台数が2600台とあまり高く設定されていないのは、先述したZEV規制の0.79%という目標数値をクリアすることが最低限の目標になっているためだろう。
今後は、今回発表したRAV4 EVに加えて、小型車「iQ」をベースに国内で開発を進めているEVを2012年末までに市場投入して、EVのラインアップを拡充する計画だ。
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