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EVの“お古”で工場の電力コストは安くなる? 三菱自動車の実証プロジェクトがスタート:スマートグリッド
三菱自動車ら3社がEVの“お古”で工場の電力ピークカットを目指す実証プロジェクトをスタートさせた。事業者向け電力価格の値上がりが懸念される中、電力コスト削減の切り札となるか?
三菱自動車、三菱電機、三菱商事の3社はEVに搭載された蓄電池を活用した工業施設の電力需要平準化を行うスマートグリッド実証実験装置「M-tech Labo」を稼働させた。実証実験は経済産業省の次世代エネルギー・社会システム実証事業に採択された「けいはんなエコシティ次世代エネルギー・社会システム実証プロジェクト」の1つに位置付けられる。検証期間は1年。東京工業大学が指導に当たる。
M-tech Laboは、太陽光発電システム(20kW)、放電可能なEV5台、EVから回収したリユース蓄電池(15kW)で構成される。
自然エネルギーは、再生可能な点が利点だが、出力が安定しない問題がある。一方で、需要側も昼間のピーク時間帯と夜間とでは必要量に差がある。この需要・供給の波を平準化するために、オフピーク時に蓄電池を利用して電力を蓄え、ピーク時に供給する。
工場などで利用する蓄電池は導入費用が高価なものが多いが、EVで利用した蓄電池を再利用すれば、低価格で蓄電システムを構築できる。
実験内容は次の通り。
- 実験装置で生成する電力(最大50kW)を使い、三菱自動車名古屋製作所内生産本館の電力変動を低減させる(変動幅を現在の180kWから33%低減が目標)
- EVユーザーに負担をかけずに、利用可能な放電容量や放電時間帯を管理するシステムEIS(Electric Vehicle Integration System)の有効性の検証
三菱自動車は充放電がEVに与える影響および、EVから出力が必要な車両側情報を調査する。三菱電機は、EISの検証を行う。三菱商事はEV蓄電池、リユース蓄電池を活用した電力関連事業を検討する。
実証実験システム全体の構成図(提供:三菱自動車) 三菱自動車名古屋製作所内生産本館に電力管理システムを配置。ラボ建屋はEVの充放電および駐車スペースも兼ねており、屋根に太陽光発電パネルを配置する。乗用で使用するEV5台の充放電の量はEISで調整する仕組み。蓄電池は80kWhの能力を持つ
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