世界最大級のEV用電池工場が誕生、滋賀県で「i-MiEV」12万5000台分:電気自動車
三菱自動車工業の「i-MiEV」の車載電池はリチウムイオン エナジーが生産している。リチウムイオン エナジーは積極的な生産能力増強を計画しており、2013年春には新工場が完成、i-MiEV換算で約15万台の電池を供給可能になる。
EVの世界的な普及を見込んだ車載用リチウムイオン二次電池電池の生産増強が進んでいる。GSユアサが三菱商事や三菱自動車工業と合弁で設立したリチウムエナジー ジャパン(LEJ)は、2011年12月13日、世界最大級の車載向け二次電池工場「栗東工場第二期」(滋賀県)を立ち上げると発表した。
生産規模は約1200MWhであり、これは三菱自動車工業のEV「i-MiEV」に換算すると約7万5000台に相当する(図1)*1)。300億円を投じて、2011年12月15日に着工する。2013年春に稼働予定。
三菱自動車工業以外に、国内外のEVやプラグインハイブリッド車に電池を供給する予定だ。例えばフランスのPSA Peugeot Citroënである。
*1)JC-08モードで180km走行可能な上級グレード「G」(電池容量16kWh)で換算した値。
図1 車載用リチウムイオン二次電池「LEV50」と同電池モジュール 三菱自動車工業のi-MiEVに搭載されている。1200MWhという生産能力をLEV50(3.7V、50Ah)に換算すると約650万セルになる。出典:リチウムエナジー ジャパン
リチウムエナジー ジャパンは2007年に会社設立後、着実に生産規模を拡大してきた。2009年6月に出荷を開始した草津工場(滋賀県草津市、約110MWh)*2)をはじめに、2010年12月には京都工場(京都市南区、約180MWh)、さらに2012年4月には栗東工場第一期(約800MWh)が出荷を開始する予定だ。
*2)同社によれば世界初の車載用リチウムイオン二次電池の量産であるという。
つまり、2012年4月時点では、3工場を合計して約1090MWh(i-MiEV換算で約6万7800台分)の生産能力に達し、栗東工場第二期(図2)が完成する2013年春には、これが2倍以上の約2.3GWh(同15万台分)に増強されることになる。
図2 栗東工場第二期工事の完成予定図 琵琶湖の東に位置する滋賀県栗東市に建設する。既に工事が完了した栗東工場第一期(図右の建物)と隣接する。栗東工場第二期工事の敷地面積は4万6000m2、延べ床面積は5万m2。出典:リチウムエナジー ジャパン
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