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エリクソンがボルボと取り組む、全てのコンセントが電気自動車対応に電気自動車

電気自動車(EV)の充電を改善するにはどうすればよいのか。エリクソンは既存の通信インフラや電力インフラに手を加えないソリューションを開発する。ドライバーにとっても電力会社にとっても望ましい充電ソリューションとはどのようなものなのだろうか。

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エリクソンがボルボと取り組む、全てのコンセントが電気自動車対応に
乗車中に指示する

 電気自動車(EV)の充電サービスの課題は何だろうか。充電時間が長いこと、充電できる場所が少ないことが現在の課題だ。このため、専用充電器をあちこちに取り付け、急速充電器網を広げる取り組みが続いている。

 スウェーデンEricssonはこれまでとは違った角度でこの問題に取り組む。大量にEVが普及した世界を見据えたソリューションであり、どのようなコンセントであってもEVの充電に使えるようになればよいという発想だ。しかし、町中のコンセントを勝手に使うことはできないだろう。どうすればよいのだろうか。

 Ericssonは、2012年2月23日(現地時間)、電気自動車向けの「フレキシブル充電ソリューション」に取り組むと発表した。自動車メーカーのVolvo Carと、スウェーデンのIT研究団体Viktoria Institute、スウェーデンの大手エネルギー会社であるGöteborg Energiが研究パートナーとして協力する。この他、スウェーデン南西部のVästra Götaland県の協力も得た。同県はスウェーデンでも2番目に人口が多いという。


図2 Volvo Electric C30 3ドアハッチバックの4人乗りファミリーカー。1充電当たりの走行距離は150km、最高速度は時速130km。出典:Volvo Car

 ソリューション開発に当たっては、Volvo Carが欧州でリース顧客向けに小規模生産を始めたEV「Volvo Electric C30」(図2)に計測器とソフトウェアを搭載した特別仕様車を使っている。特別仕様車を2012年2月27〜29日にスペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress」で展示する予定だ。

課金手順を気にせずに充電可能

 新たなインフラを設置せず、EVへ簡単に充電するにはどうすればよいのか、これがEricssonの発想の出発点だ。開発中のソリューションの要件は3つある。

  1. 既存のモバイルネッワークと電力グリッドを使うこと
  2. 充電制御メーターをEV内に設置し、ドライバーの指示によって、充電時間を決め、料金を自動請求すること
  3. 世界各国の多様な規制に対応できるモデルとすること

 数十万台、数百万台……、大量のEVが普及したとき、Ericssonのソリューションはどのように役立つのだろうか。ドライバー視点では単純だ。まず、車載端末に対していつどのぐらい充電するかを乗車中に入力する。その後、道路脇などにある任意のコンセントに充電プラグを接続する。タイマー予約などスマートフォンとの連動も可能だ。グリーン電力を利用したければそのような設定もできるだろう。

 通信インフラ側では、車載端末からセンターに充電開始時間と充電量などを送信する。任意のコンセントを使えるようにするためには、課金情報を自動的にやりとりすることが必要である。全ての通信には既存のモバイルネットワークを使うため、基地局の増設は問題にならない。

 電力インフラ側では、大量のEVがいつどのぐらいの充電を開始するか把握できるため、効率良くグリッド(系統)を運営し、最小コスト(またはグリーン電力)を選んで充電用に(仮想的に)使うことができる。

 ドライバーにとっても、電力インフラにとってもうれしい話だ。EVの充電がたやすくなるのであれば自動車メーカーもとっても悪い話ではない。


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