品質管理に活用される主な統計的手法「特性要因図」:実践! IE:現場視点の品質管理(10)(2/6 ページ)
魚の骨は多ければ多いほどいい? 特性要因図の作り方から検証方法までを解説。使い倒して技能アップを目指そう!
品質で工程管理を行う
品質管理を実施するに当たって、「品質を管理する」と考えるのではなく、「品質で工程管理を行う」と考えなければなりません。これは、品質と因果関係にある製造要因を把握して、これらの要因を常に安定した状態に保っておくことが必要であるからです。
製造要因を安定した状態に保っておくことができれば、おのずと品質は安定してくるものです。工程の安定化を図るには、工程における品質特性とその影響要因との因果関係をよく把握して、影響度の大きい要因の安定化を図っていくことが大切です。このことから、特性要因図の持つ意味を理解できます。
工程の解析や工程の安定化を図るとき、因果関係を図示しておくと便利な場合が多々あります。
つまり、「図1・特性要因図」で示した通り、結果に対する原因は、さらに別の結果に対する原因……というように、矢印によって因果関係を表した図を「特性要因図」と呼んでいます。結果(特性)と原因(要因)との関係を矢印で結んで図示したもので、矢印の先に結果を記入して多くの原因が結果に対してどのような因果関係になっているのかが一目で分かるように体系化する手法であるといえます。
品質管理の担当者が、個人または特定のグループだけで特性要因図を作ると、いままでの既成概念にとらわれて片寄った特性要因図になってしまいます。そこで、特性要因図を作成する場合には、第三者を多く含め、できるだけ広い範囲の人たちに参加してもらい、BS法を利用して少しでも影響のありそうな原因(要因)を可能な限り多く挙げて特性要因図に整理していくように努めなくてはなりません。
特性要因図は個人が持っている技術情報を会社や職場の技術力へと転換させていくのに有効で、いろいろな用途が考えられます。
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