燃費の高さで勝負、4方式の環境対応車を見せるトヨタ:電気自動車 東京モーターショー2011(2/2 ページ)
トヨタ自動車はハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、EV、燃料電池車といった環境対応車を全て見せる。他社と比較して、実用的な車を展示する予定であり、特にHVとPHVの燃費の良さが際立つ。
EVの走行距離は105km
「FT-EVIII」(Future Toyota - Electric Vehicle III)は、ガソリンエンジンを搭載しない純粋なEV(図4)。リチウムイオン二次電池を搭載し、1充電当たりの走行距離105kmを想定する。2012年中の販売を予定する。
燃料電池車も出展する。「FCV-R」(Fuel Cell Vehicle - Reality & Revolution)だ(図5)。リチウムイオン二次電池の代わりに、水素タンクと燃料電池を搭載して走行する。燃料電池ユニット(FCユニット)を床下に配置したことで、荷室空間を広くし、4人乗車を可能にしたという。1水素充填当たりの走行距離は約700km*3)。搭載する高圧水素タンクの最高充填圧力は70MPa。
*3) トヨタ自動車が開発し、2008年6月に国土交通省から型式認定を得たFCV「FCHV-adv」は5人乗りのステーションワゴンであり、寸法は4735mm×1815mm×1685mmと、FCV-Rよりもひとまわり大きい。走行距離は760km(JC08モード)だった。
市場導入時期は2015年を予定する(関連記事:トヨタが燃料電池車の普及目指す、さいたま市と共同で)
車と家の連携も見せる
トヨタ自動車は、日本自動車工業会と協力して東京モーターショー2011内の「スマートモビリティシティ2011」にも出展する。出展内容は3種類に分かれる。次世代モビリティ、エネルギーマネジメント、次世代ITSだ。
次世代モビリティでは、近未来を想定した次世代充電ステーション「TOYOTA Smart Mobility Park」(図6)を見せる。太陽光や風力を利用し、二次電池に電力を蓄える。エネルギー管理システムである「トヨタスマートセンター」と連携することで、EVなどのエネルギー管理に加えて、カーシェアリングの実現を助ける内容になるという。
図6 近未来を想定した次世代充電ステーション「TOYOTA Smart Mobility Park」 再生可能エネルギーと二次電池を組み合わせ、トヨタスマートセンターを使って管理する。出典:トヨタ自動車
もう1点は、トヨタ自動車がヤマハ発動機と共同で開発を進めている次世代モビリティ「つながるバイク」だ。電動スクーター(図7)や電動アシスト自転車をトヨタスマートセンターと連携することで、充電スタンドの位置情報やシェアリングサービス情報の配信などを行う。スマートフォンやWi-Fiでの通信が前提だ。
エネルギーマネジメントでは、H2V Managerを見せる(関連記事:ブレーカーが落ちる心配なし、トヨタのプリウスPHV用充電機器)。家庭内の分電盤と充電器の間に接続する機器であり、PHVやEVの安全で柔軟な充電を実現する。
次世代ITSでは自動車と道路や、自動車と自動車が通信でつながることで、安全運転やエコ運転を支援するシステム(インフラ協調システム)を見せる。自動運転として、車両の呼び出しや障害物回避走行、自動駐車などを実演する。プリウスをベースに開発した自動運転車両「TOYOTA A.V.O.S.」(Automatic Vehicle Operation System)の体験試乗も実施する。
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