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リニアと太陽電池の不思議な関係小寺信良のEnergy Future(8)(2/4 ページ)

東京と大阪を結ぶリニアモータカーの姿が見えてきた。一方、時速517kmを達成した宮崎県のリニア実験線は既に廃線となっており、実験には使われていない。ここに太陽光発電所を建設し、新しい形によみがえらせようというプロジェクトが完成した。

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実験から本格的な太陽光発電所へ

 第2期計画の「都農第二発電所」は、第一発電所の区間から北へ3.6kmの区間に設置された(図4)。運用開始は2011年3月だったが、ちょうど東日本大震災とぶつかって大きなニュースにはならなかった。


図4 都農第二発電所 全長3.6kmにわたってのびる。ほぼ直線状に設置されているが、肉眼では端は見えない。

 都農第二発電所ではソーラーフロンティアが製造したCIS化合物型太陽電池モジュール「SC80-A」を使っている(図5)。使用モジュールは補助金の関係もあるため、入札によって決められたそうだが、幸いソーラーフロンティアは生産拠点の大半が宮崎県にある。宮崎県新エネルギービジョンが掲げる、製造・発電がここで連携したことになる。


図5 都農第二発電所の太陽電池モジュール ソーラーフロンティアが製造した「SC80-A」を採用した。4種類の元素を利用したCIS太陽電池である。寸法は1235mm×641mm。出力は80Wである。

 使用モジュールの総数は1万2520枚。48枚単位で1基の架台に載せられており、これが延々と261基続く。発電規模は都農第一発電所の20倍となる1000kW(1MW)。数字だけで全長3.6kmと聞くと、「ふーん」という感じだが、実際に見てみるとこれはもう、とてつもない規模だ。不動産広告で見る徒歩何分という単位で見れば、45分。ジョギングでも20分はかかる長さである。

 変電所は4カ所に分割されており、最終的に都農第一変電所から地元の特定規模電気事業者(PPS)に接続し、売電している(図6図7図8図9)。ただしこれだけ距離が長いと送電ロスも発生するので、このような形態が発電所として必ずしもベストな形ではないという。


図6 第一変電所の全景 写真中央の建物の高さは、人の背丈の約2倍程度とコンパクトである。

図7 第一変電所の内部 手前左はパワーコンディショナ、手前右は監視用サーバである。

図8 変電所脇のトランス 建屋の外に置かれた巨大なトランスである。

図9 PPS事業者への接続点 電柱(手前左)を経由して、PPS事業者へ接続している。

 このように都農第二発電所の全体像を眺める限りでは、しっかりした設備であり、何の問題もなく、事業が進んだように見える。ところがそこには、実際に作ってみないと分からないノウハウがあった。

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