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将来はiPhoneのようになる? Creoの将来米PTCのエグゼクティブが来日

PTCの新しい設計ツール Creoは、将来、スマートデバイスのように、ユーザーが好きなアプリを組み合わせて利用するといった形態になっていくだろうとPTC本社のエグゼクティブが語った。

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 PTCの設計ツール「Creo 1.0」(クリオ 1.0、2011年6月正式リリース)は、設計者、デザイナー、プロジェクトマネジャー、マーケティング担当者など、職務に合わせたアプリ(「Apps」)を提供する。それぞれのアプリで操作するデータフォーマット(パラメトリックモデリング、2次元製図など)はそれぞれ異なるが、ユーザーの目的に応じて、1つのツールを扱うような感覚で操作できる。ユーザー側自らがCADやPLMなどの「製品を選定する」ということを意識することなく、ユーザーが抱える問題や業務に合ったアプリをPTC側が提供していく形となっている。

 2011年10月中旬 米PTC 製品マーケティング担当副社長 のトーマス・シューメーカー(Thomas Shoemaker)氏が来日し、Creoの今後について話した。

Thomas Shoemaker氏
米PTC 製品マーケティング担当副社長 のトーマス・シューメーカー(Thomas Shoemaker)氏

 同社が2011年6月に米国で開催した「PlanetPTC Live 2011」で発表したCreoの9つのアプリのうち、既に8つのアプリはリリースされたが、残り1つである「Creo Layout」は、2011年11月中にリリース予定だ。Creo Layoutは、2次元構想設計アプリであり、2次元ベースで設計を始めたいユーザー(例えば、産業機械や自動車の機構設計の一部など)向けツール。従来のPro/ENGINEERは、3次元CADから2次元図面を作成するプロセスだったが、このアプリはそれと逆で、2次元CAD主導型で3次元モデルを作り上げることに特化している。

 さらに、今後新たにリリースする予定のアプリとしては、以下の2つ。

  • 多品種生産向けの構成管理アプリ「AnyBOM Assembly」:顧客ごとに仕様が異なっていたり、製品が市場に出てからの長期メンテナンス期間で部品構成が変化したりするような製品・装置に適する。こちらは同社のPLM「Windchill」と連携が必要。2012年3月に「Creo 2.0」の一部としてリリース予定。「Windchill 10.1」も同時リリース
  • 設計データを基にレンダリング可能なアプリ:営業やマーケティングの担当が設計モデルを基にレンダリングが行えるツール(営業・マーケティング資料などに利用可能)。ユーザーは設計データやCADの操作について詳しくなくても必要なデータを引き出せる

 既存のアプリもさらに細分化していく可能性もあるという。例えば2次元の経路図に特化したアプリ「Creo Schematics」なら、さらに「電気配線だけ」「排水配管だけ」にばらすなど、より細分化する可能性もあるとのこと。また、ユーザーの細かいニーズに合わせたアプリを新規で開発することもあり得るということだ。

 このように、PTCは今後、さらに、ユーザーの細やかなアクション、目的に応じて随時、アプリ化を検討していく。今後登場するアプリの数は、現時点で40〜50個ほどが想定できるという。

 「将来はiPhoneのように、ユーザーが好きなアプリを組み合わせて利用するといった形になっていくだろうし、実際、開発もその方向で進んでいる」(シューメーカー氏)。

 メーカーではソニーエリクソン、マイクロソフト(同社のゲーム機「Kinect for Xbox 360」の開発で活用)らが既にCreoへ移行していると、同社ブログが公にしている。

 また2011年9月に静岡県で開催した第9回 全日本学生フォーミュラ大会で優勝した上智大学チームもPTC製品のユーザーであるが、Creoに移行済みとのこと。なお、2011年度の上智大学チームの車両開発について、MONOistでは2011年11月に記事を公開予定だ。

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