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効率のよいバイオ燃料を求めて、「木力発電」を群馬県で開始スマートグリッド(2/2 ページ)

オリックスと東京ガスは、群馬県に「吾妻木質バイオマス発電所」を立ち上げた。木質バイオマスは、隠れた再生可能エネルギー源だ。メガソーラー以上の出力を備え、定常運転が可能だ。

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なぜわざわざ木質チップを使うのか

 そもそも木質チップは何から生まれるのだろうか。木質バイオマスから生まれる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査によれば、木質のバイオマスの賦存量(理論的に算出しうる潜在的な資源量)は意外に多い。2006年時点では林地残材(335万トン)、製材所廃材(1040万トン)、建築解体廃材(519万トン)が3大木質バイオマスだ。

 製材所廃材や建築解体廃材は分かりやすいが、林地残材と何だろうか。

 立木の伐採に伴って発生する端材や枝などの柱や板には加工できない廃材だ*4)。林地残材はもちろん食用にはならず、林業の副産物であるため、再生可能だ。

*4)細かく砕いてチップ化し,板状に固めて木質ボードに使う用途は実用化されている。

 残材を利用しようとしたときの課題は、伐採時に広範囲に散らばりやすい他、枝などが雑多な形状を採っているため体積が大きく、水分を大量に含んでいることだ。伐採時に工夫を加え、輸送コストを引き下げ、水分を取り除くために各種の加工を施す必要がある。

 木質バイオマスをエネルギー資源として利用する方法は多数ある。発酵させてアルコールを作る、炭化して木炭を作る、固形燃料として加工し、木質ペレット*5)を作るなどの手法が実用化されている。

*5)粉砕した木質バイオマスを直径数mmの円柱形に成形加工したもの。木質ペレットを量産した場合の熱量当たりの消費者価格は、灯油(1リットル当たり90円)よりも安価であり、家庭用燃料などに適している。国内の年間生産量は4万トン(2008年)に及ぶ。


図2 吾妻木質バイオマス発電所のボイラー設備 内部循環流動床ボイラー(ICFB)を使う。空気を吹き込み、燃料をボイラー内部で循環運動させることで効率のよい燃焼を維持できるという。出典:オリックス

 なかでも残材が持っていた化学エネルギーを最も効率良く引き出す(図2)ことができるのが木質チップ(図3)である。

 岩手県林業技術センターによれば、エネルギー量(kWh)当たりの単価は、7円と安い(2008年時点の計算)。これは灯油(12.4円)やA重油(11.2円)、木質ペレット(10.1円)よりも有利な数字だ。つまり、大規模な発電所を作るのであれば、燃料には木質チップが適している。

木質チップ
図3 発電の燃料となる木質チップ 長さ数cmから10cm程度の細かな木片からなる。出典:オリックス

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