住宅用で最高変換効率、東芝が太陽電池モジュールを発売:スマートグリッド
モジュール変換効率を19.3%に高めた。低反射ガラスと、直径160mmの太陽電池セルを利用することで実現した。屋根上に設置する場合は、平均的な太陽電池モジュールと比べて、40%多い電力が得られるという。
東芝は、住宅用太陽電池として最も高い変換効率*1)19.3%を実現したという製品「SPR-240NE-WHT-J」を2011年9月13日から発売する(図1)。単結晶Si(シリコン)太陽電池を用いた。最大出力は240W。価格は17万6400円。
*1)低出力(小面積セル)ではより変換効率が高い太陽電池が存在するものの、出力240W品の場合は最も変換効率が高いという。なお、セル変換効率は22.6%。
米SunPowerが開発した太陽電池モジュールを用いた。東芝はこのモジュールを「住宅用太陽電池モジュール 240W」と呼ぶ。従来品では表面電極を裏面に配置する単結晶バックコンタクト方式を用いて、受光面積を確保していた。今回の製品ではバックコンタクト方式に加え、入射光の反射率を下げることで損失を低減する「反射低減コート付き強化ガラス」と、受光面積を従来品よりも約3%拡大した直径160mmのセルを利用し、変換効率を改善した。
なお、今回の新製品と寸法が同じ従来品「SPR-210N-WHT-J」(最大出力210W)の最大セル変換効率は21.5%、最大モジュール変換効率は16.9%だった。
住宅の屋根上面積は限られているため、住宅設置用の太陽電池モジュールには高い変換効率が求められる*2)。東芝によれば、住宅用太陽電池モジュール 240Wを使うと、国内の平均的な製品を採用した場合と比べて、発電量が40%高まるという。
*2)この他にも出力を高める要因がある。例えば、寄棟屋根に設置する場合は、長方形のモジュールだけでなく、台形や三角形のモジュールを組み合わせることで、より高い出力が得られる。樹木などの日陰が避けられない場合には、Si単結晶太陽電池よりも変換効率が低いCIGS(CIS)薄膜太陽電池を設置した方が出力を高められる可能性がある。
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