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FEMの知識総まとめ〜あなたの解析は設計後?〜設計者CAEを始める前にシッカリ学ぶ有限要素法(12)(3/4 ページ)

設計が終わってから解析している人、本当にそれで大丈夫? 手戻り発生を極力防ぐ解析のタイミングとは

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 ボールジョイントは、例えば会社の受付でお客さま用に設置されているボールペン差しのようなものです。並進方向はどれも拘束、回転方向はどれもフリーという拘束を与えると、このような状態を表現することができます。

図5
図5 ボールジョイントの例と固定方法。

 ボールジョイントはどの方向にも回転が許された拘束方法ですが、回転方向を限定すると、ピンジョイントとなります。ピンジョイントはヒンジともいい、蝶番(ちょうつがい)をはじめとして、折りたたみ式携帯電話、ノートPC、デスクトップPCなど、身の回りのありとあらゆるところに使われています。

 蝶番の“軸”まわりだけが回転するので、軸の回転方向だけをフリーとすれば、ピンジョイントが表現できます。

図6
図6 拘束条件によるピンジョイントの表現方法。

 また、引き戸のようなスライダーも、スライド方向の並進自由度だけをフリーにすることによって表現することができます。拘束条件はこのほかに、ちょっと変わった使い方もあります。

 構造も荷重も固定も対象であれば、モデルを何分の1かに分割して解析を行うことができます。構造、荷重、固定が対象であれば、モデルを丸ごと解析する必要がないので、時間的に有利になります。フルモデルを解析する場合に比べて、解析時間が短くなります。つまりフルモデルを解析する時間内で、複数の設計案の解析ができるのです。

図7
図7 対称条件によるセグメント有限要素モデルの解析。

 構造も荷重も固定も対象な場合に、セグメント化したモデルに設定する条件を「対称条件」といいます。対称条件には、面対称や周期対称があります。この対称条件を設定するときに、拘束条件を使います。

 実際の解析では、構造も荷重も固定も対象であることは、かなり限定された場面でしょうから、今回は言葉の紹介のみにとどめておきます。

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