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FEMの知識総まとめ〜あなたの解析は設計後?〜設計者CAEを始める前にシッカリ学ぶ有限要素法(12)(2/4 ページ)

設計が終わってから解析している人、本当にそれで大丈夫? 手戻り発生を極力防ぐ解析のタイミングとは

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 現実の構造における設置状況をどのように拘束条件として表現するのか、説明していきましょう。

 有限要素法では、節点の6つの自由度を調節することによって、さまざまな拘束の状態を表現します。それは自由度を「固定」するか「フリー」にするか……。たったこれだけで、あらゆる設置状況や固定状態、さらにほかの部品や機器とのつながりを表現しなければなりません。これは、かなり難しい設定になります。設計者向けのCAEソフトでは、拘束条件が「完全固定」「ピン」など設計者になじみのある言葉で表されていますが、結局は、「固定」と「フリー」、つまり「ゼロ(0)」と「イチ(1)」で表されてしまいます。

 皆さんが設計者向けのCAEソフトを使っていて、そしてその拘束条件が設計者になじみのある言葉で表されているのなら、それぞれの拘束条件が節点のどの自由度を固定し、またフリーにしているのか、十分、調査した上で、使うようにした方がいいでしょう。

図2
図2 節点の自由度に固定かフリーを設定することで拘束条件が決まる。

 この自由度の固定とフリーだけを指定することによって、幾つかの拘束条件を表現してみましょう。

 まずクランプ。これは完全なる固定です。この条件で拘束された節点は、何があっても絶対に動きません。節点の6自由度全部を「固定」とします。3次元CADに付属の解析ソフトでは、主にCAD形状に対して拘束条件を設定するようになっています。大体の場合、「面」を固定することになると思いますが、面にクランプを設定すると、その面に生成される全ての節点の6自由度が固定されます。結果的に、面がベッタリと固定されることになり、実際には、このような固定状況は現実にはほとんどないことに注意する必要があります。

 図3に示したのは、ガードレールのポールです。

図3
図3 クランプによる完全拘束

 こういうのは完全固定と言っていいでしょう。なんせ、ポールはコンクリートで固められているのですから。このような場合、地上に出ているポール部分だけをモデル化し、その底面を拘束するのが一般的です。つまり本当は、ポールは地中に埋まっているのに、その部分を省略することになります。

 もう1つの拘束方法としては、ポール全体をモデル化し、地中に埋まったポール部分を固定する、というものがあります。どちらかといえば、こちらの方が現実の状態に近いわけで、手間は多少増えますが、より正確に現状を表していることになります。

 また、同じガードレールでもまったく支持方式が異なるポールを見つけました。こちらは、ポールの底面に当たる部分に正方形の鉄板が溶接され、その鉄板がボルトに道路に固定されている、といったものです。もちろんボルトを直接道路にねじ込むわけではありません。道路側にボルト受けが埋め込まれていると思います(図4)。

図4
図4 場所によって異なるポールの固定方法。

 こうなると、ポールそのものを埋め込んだ状態とは、構造そのものも固定のされ方も、全く違うものになってきます。

 このように固定条件1つ取ってみても、いろいろ考えるべきことがあるのです。

 次はボールジョイントのような状態を表す拘束条件を考えてみましょう。

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