福島原発から学ぶ、トラブル三兄弟:甚さんの「想定内だぜぃ!トラブルは」(2)(2/3 ページ)
福島原発のトラブルにも、あの三兄弟が隠れていた……。開発のトラブルを減少させ開発効率を向上させる対策法も解説する。
甚さん、甚さぁ〜ん! 嫌なことに気が付いてしまいました。それは、福島原発、特に最も気になるプルサーマルの3号機は、「新規君」「トレードオフ君」「変更君」……全てを含んでいますよ!
実験室からそのまま造ってしまったような気がするぜぃ。……、いや! いけねぇ、いけねぇ! 今の段階で、オレサマのような下町職人に口出しは禁物! 専門家に任せるしかねぇよなぁ?
甚さん! でも、すごいですね! トラブルの98%が「トラブル三兄弟」に潜在していたんですね。そこから、うまく抽出すればいいのですね。
そうだ。しかしそれは、職人による「匠のワザ(1)」だから、マスターするには訓練が必要だ。次に、もっとレベルの高い「匠のワザ(2)」のことも教えてやっからよぉ、覚悟せい! 分かったら、「はい!」と言え!
はい! ハイ! こんな僕にも、「匠のワザ(2)」を教えてくれるんですか? ワクワクドキドキ……。
そんじゃ、行くぜぃ! それはよぉ、「インタラクションギャップ」つってなぁ……。
インタラクションギャップに潜むトラブルを探せ
「インタラクションギャップ」とは、「複数以上の要因間に、トラブルが潜在する」という意味です。
今からちょっと難しい「匠のワザ(2)」に挑戦してみますか?
ここでいう、「要因」と「要因間」とは、以下の例があります。
- 機械屋と電気屋とソフト屋:欠陥商品、社告・リコール
- アメニティー街における人間と回転ドア:ドア挟まれ事故、死亡事故
- こんにゃくゼリーとその容器:幼児やお年寄りの窒息事故
- HV車のエンジンとモータとブレーキ:追突事故、大規模リコール
- アクセルとフロアマット間:アクセル戻らず、一家4人、激突死
- 洗濯用の洗剤とトイレ用洗剤:「混ぜるな危険!」の塩素ガス発生
これだけで、「インタラクションギャップ」を理解できるかと思います。
1〜6の事例で、何となくですが、理解できてしまいました。要因間にトラブルが潜んでいるってことですね。僕には、4、5、6の事例が分かりやすいです。
さすがに富士山麓大学の院卒じゃねぇかい。浅い理解なら早い! そんじゃ、「インタラクションギャップ」の単語がほんのり理解できたら、次は、「4Mで切る」という言葉を理解しろ!
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