自分でできる知的財産権調査! カンタン3段ステップ検索方法をマスターする:自社事業を強化する! 知財マネジメントの基礎知識(4)(4/5 ページ)
知財管理ってお金がかかるんでしょ? というのは大きな勘違い。今すぐ、だれでも調査できるんです。まずは調べ方、使い方を覚えましょう
ステップ(1)「キーワードで検索して10〜20件ほど公報を読んで特許分類を抽出」
さて、それではカンタン3段ステップ特許検索方法のステップ(1)「キーワードで検索して10〜20件ほど公報を読んで特許分類を抽出」を行います。
タッチパネル式電子ゲーム機について調べたいので、「タッチパネル」と「ゲーム」という2つのキーワードで検索してみます。ステップ1では特許のフロアマップである特許分類を探すためのラフな検索ですから、検索項目選択は「発明の名称」に限定しました。もしも、「発明の名称」に限定してヒット件数がゼロ件になってしまったら、「要約」や「要約+請求の範囲」にしてみてください。
今回はこのキーワード検索で14件(2010年4月5日現在)がヒットしました。一覧表示ボタンを押すと図7のような特許リストが表示されます。発明の名称に「タッチパネル」と「ゲーム」が含まれていますね。
さて次は実際に公報を見て特許分類を確認していきます。図7の検索結果一覧から、先頭の任天堂の特許を開いて見ると、図8のような画面に公報が表示されます。この中から抽出するのは赤い矢印で示したFI(ファイル・インデックス)の内容です。図8の特許には
- A63F 13/00 B
- A63F 13/00 F
- A63F 13/06
- A63F 13/10
の4つのFIが付与されています。14件の特許についてざっと特許分類を確認すると、A63F13/xxという特許分類が多いことに気付くと思います。
ステップ(2)「抽出した特許分類の定義をパテントマップガイダンスで確認」
それではこのA63F13/xxという分類はどういう意味なんでしょうか? それを調べるのがパテントマップガイダンスです。カンタン3段ステップ特許検索方法のステップ(2)「抽出した特許分類の定義をパテントマップガイダンスで確認」です。
図9にパテントマップガイダンスの画面を示しました。実はパテントマップガイダンスには特許分類の定義を確認する以外にも、キーワードから特許分類を探したりする機能もあるのですが、今回のセミナーではこの機能については置いておきます。
図9の画面のうち、赤い枠線で囲った部分に「A63F13」と入力して「照会」ボタンを押してください。すると図10に示したような「A63F13」という分類の定義一覧が表示されます。
A63F13という分類は
「2次元以上の表示ができるディスプレイを用いた電子ゲーム,例.テレビ画面を用いるゲーム」
という分類でした。つまり書店でA63F13というエリアに行くと電子ゲーム関連の本が集まっているということです。
適当なキーワードでヒットしたタッチパネル式電子ゲーム機関連特許に付与されている特許分類を探すことで、A63F13という電子ゲーム関連の特許分類を特定するところまできました。
ステップ(3)「抽出して定義を確認した特許分類に『特徴キーワード』を掛けて検索」
カンタン3段ステップ特許検索方法の最後のステップ「抽出して定義を確認した特許分類に『特徴キーワード』を掛けて検索」に移ります。
電子ゲーム機の特許分類は特定できたので、あとはこの特許分類A63F13に『特徴キーワード』を掛けるだけです。この技術の特徴キーワードは? といえば「タッチパネル」です。よって、検索式としては図11のようになります。
特許分類FIのA63F13はそのまま入力するとエラーメッセージが出てしまいます。図11のようにA63F13/?のように入力します。こういった入力方法については徐々に慣れていくしかありません……。
ステップ3ではタッチパネルというキーワードが含まれる範囲を「発明の名称」ではなく「要約+請求の範囲」にしました。最終的に316件の特許がヒットしました(2010年4月5日現在)。あとはヒットした特許の内容を確認していく地道な作業になります。
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