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「業績予想」の質を担保するセールス&オペレーションズ・プランニングの方法論(2)(2/3 ページ)

実態とかい離しがちな業績予想をいかに正確なものにするか。S&OPプロセスを使って、どのようにしてさまざまな経営課題を解決していくかについて見ていく。

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業績予想はうまく立てられているのか?

業績予想はボトムアップで作成されている

 では、企業はどのように業績予想を立てているのでしょうか? 上場会社(345社)を対象にしたある調査(注1)によると、ほとんどの企業が「子会社や各事業所の予測値を積み上げて作成」しているとしています。

業績予想値の作成方法

  • 子会社や各事業所の予測値を積み上げて作成する=90.2%
  • 前期以前の実績値から類推して作成する=48.8%
  • 当期の業績値と対比されることを意識して作成する=60.7%

アンケート調査結果に見る海外システムの課題

 では、積み上げる基になっている「子会社や各事業所の予測値のデータ」の信頼性についてはどうでしょうか。特に、海外マーケットへの依存度が高く、生産拠点の海外移転が加速しているグローバル企業では、海外子会社や事業所、そして提携企業からの予測データの比率が高まっていることが気になるところです。

 ERP研究推進フォーラムが2009年に実施した調査(注2)によれば、上場会社(回答数89社)から「海外システムの課題や問題点」として次の内容が報告されています。

海外システムの課題や問題点(問6-5より筆者が抜粋・編集)

  • 連結会計が迅速にできない=43.8%
  • 受注状況が見えない=25.8%
  • 在庫状況が見えない=34.8%
  • 生産状況が見えない=31.5%

 この調査結果を、「業績予想」の開示対象となる項目である「売上高・営業利益・経常利益・当期利益・1株当たり利益・1株当たり年間配当金」と対比してみると、上場企業であっても、その4分の1から3分の1が、売上高と営業利益をはじめとする「業績予想」の開示項目に関して、予測はおろか実績すらタイムリーに捕捉できずにいる状況が見えてきます。

 筆者が特徴ある経営管理システムで有名なある上場製造企業の経営企画担当者に伺った話では、同社でもやはり、「業績予想」は子会社や各事業所の予測値を積み上げて作成しているが、海外拠点での予測データの信頼性に課題があることもあり、最終的にはトップの判断で作成しているのが実態であるとのことでした。

果たして、業績予想はこれでよいのだろうか?

 期初業績予想とその後の業績予想の変更は、上場企業のディスクロージャー(開示)の重要な要素になっています。特に、グローバル化し、変化の激しい今日の経営環境の中にあっては、業績予想、そしてその上位に位置する中期経営計画や事業計画の策定と、それらの鮮度の維持の重要性はますます高まってきています。

 ところが、これまでに掲げた2つのアンケートを関連付けると、次のような実態が明らかになってくるのです。

  • 業績予想値は、子会社や各事業所の予測値を積み上げて作成する(90.2%)ことになってはいる
  • 上場企業の4分の1から3分の1では、海外の受注、在庫そして生産状況が見えていない状況にある

 この「業績予想の質を高める」という重要課題に、本連載で紹介しているS&OPがツールとして実に有効に機能するのです。

 次に、S&OPがどのように機能するのかについて見てみることにしましょう。


注1:浅野敬志「経営者の利益予想バイアスと市場反応」『会計・監査ジャーナル』(日本公認会計士協会出版局、2009年12月号)
注2:『ユーザアンケート調査報告書2009〜企業アプリケーション・システムの導入状況に関する調査』(ERP研究推進フォーラム、2009年5月)


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