BREWアプリケーション開発の流れを押さえよう:“BREW”アプリケーション開発入門(2)(2/3 ページ)
今回は「HelloWorld」を題材に、プロジェクトの作成からエミュレータ環境での実行まで、BREWアプリケーション開発の流れを解説する。
BREWアプリケーションの作成
プロジェクトの作成が完了したら、次にBREWアプリケーションを作成していきます。
BIDファイルとMIFフィルの作成
MIF Editorを起動します。MIF Editorは「BREW SDK」のメニュー、もしくはVC++ 6.0のツールバーから起動できます(図7)(図8)。
MIF Editor(図9)を起動したら、はじめにBIDファイルを作成します。BIDファイルはBREWアプレットを一意に識別するためのIDを格納したファイルです(BREWアプレットについての詳細は後述しますが、ここではBREWアプリケーションの実行単位と考えてください)。[新規アプレット]ボタンを押して、「BREW Class IDの指定」ダイアログを表示し、BREWアプレットに「Class ID」と「クラス名」を設定します。「新規作成」の項目にある「ローカル」を選択して、Class IDに「任意の番号(10101010以上)」、クラス名に「hello」を指定してください(正規式の一意なClass IDは、BREW Developerである必要があります)(図10)。
[OK]ボタンを押すとClass IDが「.bid」というファイル形式で保存されます(図11)。ファイル名は任意で構いませんが、本稿では「hello」としています。なお、生成された.bidファイルはプログラム中でヘッダファイルとして利用します。
Class IDが設定されるとMIFファイルの作成が可能になります。MIFファイルはいわゆるメタデータファイルで、クラスID、アプリケーション名、アイコン情報などBREWアプリケーションに関するさまざまな情報が保存されます。ここではアプレット情報に「名前」と「アプレットの種類」を設定します。なお、今回はアプレットの種類は“なし”とします(図12)。設定したらメニューの[ファイル]−[名前を付けて保存]を選択し、MIFファイルを保存します。ファイル名は、BREWの命名規則に従いBREWアプリケーション・プロジェクト名と同じ「hello」とします(図13)。
MIFファイルを保存したら、MIF Editorを終了します。ここまでの作業で以下のファイルが生成されていることを確認してください(図14)(表2)。
hello.bid | BREWアプレットのClass IDを格納したヘッダファイル |
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hello.mif | BREWアプリケーションの定義ファイル |
生成されたソースコードの構造
プログラミングを行う前に、ウィザードで生成された「hello.c」の構造がどのようになっているかを確認してみましょう(なお、本稿ではコメント部分を適宜省略しています)。
ここでのポイントは、インスタンス生成を行う「AEEClsCreateInstance()」と、メッセージループの「hello_HandleEvent()」という関数です。プログラムの主な処理をイベントごとに「hello_HandleEvent()」に記述していくスタイルになっています。いわゆるウィンドウ・プログラミングの感覚と似ています。
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