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バス・引き込み線・記号名で“分かる”回路図を描こうイチから作って丸ごと学ぶ! H8マイコン道(2)(3/3 ページ)

前回インストールした回路図CADを用いて、H8Tiny-USBの回路図を作成。プリント基板製作の基となるネットデータを生成する。

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――実は、回路図CADやプリント基板CADでサポートされていない部品を使いたい場合、自分で部品を追加しなければなりません。

 今回は筆者の方で、H8Tiny-USBに必要な部品ライブラリをあらかじめ作っておきました。以下からライブラリ・ファイル「H8USB.LB3」をダウンロードしてください。

 それでは、ダウンロードした部品ライブラリを追加してみましょう。

 CADAUSサーキットのライブラリ・ファイルは、アプリケーションの「LIB」ディレクトリに置くことになっています(図9)。先ほどダウンロードしたファイルを「LIB」ディレクトリに移動してください。

CADAUSサーキットの部品ライブラリ・ディレクトリ
図9 CADAUSサーキットの部品ライブラリ・ディレクトリ

 次に、CADAUSサーキットのメニューから[設定(S)]−[ライブラリ(L)]を選択します。すると、図10の「ライブラリの設定」ダイアログが現れます。ここでは[追加]ボタンをクリックし、指示に従って“H8USB.LB3”を追加してください。[OK]ボタンをクリックして、「ライブラリの設定」ダイアログを閉じると、H8Tiny-USBに必要な部品が使えるようになります。

部品ライブラリの設定
図10 部品ライブラリの設定

 部品登録の方法を知っていると、オリジナルのプリント基板を作るのに役立ちます。ここで、自分自身で新しい部品を作成する方法を簡単に説明します。

 新規部品の作成は、部品データを取得することからはじめます。いまではほとんどの半導体メーカーが、自社の部品データをWebページで公開しているので、必要なデータシートをまずはダウンロードしましょう。ダウンロードしたファイルは、図11のように場所を決めて保存しておきます。

データシートの保存ディレクトリ
図11 データシートの保存ディレクトリ

回路図エディタのツールアイコンについて(2)

[部品作成]ツール



 新しい部品の作成は、[部品作成]ツールを使って行います。[部品作成]ツールを選択すると、図12の「CADLUS_Symbl」ダイアログが表示されます。

部品の作成
図12 部品の作成

 ここで、メニューから[部品の作成/保存(M)]−[保存済み部品を開く(O)]を選択して、新規部品を保存する部品ライブラリを選択します。

 次に、メニューから[部品の作成/保存(M)]−[新しい部品の作成(N)...]を選択します。すると「新しい部品」ダイアログが表示されるので、ここで登録したい部品名を入力します。

 部品の編集は、部品の大きさを決めることからはじめます。メニューから[部品の編集(E)]−[図形属性変更(A)...]を選択すると、「図形属性変更」ダイアログが表示されるので、縦横のサイズを指定してください。

 その後は、「CADLUS_Symbl」ダイアログでピン情報を編集し、[部品の作成/保存(M)]−[部品の上書き保存(S)...]を選択し、部品ライブラリを更新します。

筆者が試したところ、「CADLUS_Symbl」ダイアログのメニューから[部品の作成/保存(M)]−[新しい部品ライブラリの作成(L)]を選択しても、新たに部品ライブラリを作ることができませんでした。苦肉の策として、LIBディレクトリ(図9)内のファイルをコピーして、名前を変えることで対処しています。このような作業を行うときは、部品ライブラリを壊さないように注意してください(部品ライブラリをコピーし、バックアップするとよいでしょう)。


 部品の登録と作成の手順を理解したところで、第1回「プリント基板CADで“マイ”マイコンボードを作ろう!!」の図4で示した「H8Tiny-USB」の回路図を仕上げてください。ちなみに、以下に完成した回路図データ(H8Tiny-USB.drw)を示します。まだ、操作に慣れていない方などは以下をダウンロードしてご利用ください。


今回はここまで―「ネットデータを出力しよう」

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おじさん、ようやく回路図ができましたよ!


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よくできたね。

最後にネットデータを出力して、今日はお開きとしよう。


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確かこのネットデータを基に、プリント基板を作成するんですよね。


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そのとおりだよ、健一君。



――今回の仕上げとして、回路図からネットデータを生成しましょう。

回路図エディタのツールアイコンについて(3)

[回路図データチェック]ツール

[ネット出力]ツール



 ネットデータを出力する前に、必ず回路図データのチェックを行ってください。[回路図データチェック]ツールを使うと、部品名が重なっていないか、行き先のない信号名がないかどうかなどの回路図チェックを行い、結果をテキストファイルで出力してくれます。

 エラーがなければ[ネット出力]ツールを押してください。すると「ネット出力」ダイアログが表示されるので、メニューから[ネット出力(通常)]を選択し、[OK]ボタンをクリックしてください。保存場所を“D:\develop\H8Tiny-USB\circuit”に、ファイル名を“H8Tiny-USB.net”にして、ファイル保存します。念のため、ここまでの作業で完成したネットデータ(H8Tiny-USB.net)を以下に掲載しておきます。



 健一君がいっていたように次回は、ネットデータを基にプリント基板を作成します。ご期待ください! それにしても健一君の飲み込みの早いこと……。すっかり、回路図CADをマスターしたようです。(次回に続く)


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