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“かんばん方式”にまつわる誤解・曲解・勘違いこうすればうまくいく生産計画(6)(2/5 ページ)

今日の製造業が抱えている根本問題は「大量・見込み生産の体制を残したまま、多品種少量の受注生産に移行しようとしている」ことにある。生産計画を困難にするさまざまな要因を乗り越え、より良い生産計画を実現する方法を検証してみよう。

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かんばん方式の基本的仕組み

 ここでまず、かんばん方式の基本的仕組みについてあらためて勉強してみよう(ちなみに御本家ではひらがなを使っているが、世界中に普及した結果、片仮名の「カンバン」で表記されることも多い)。

 かんばん方式は、後工程が前工程に材料を取りに行く「後工程の引き取り」が前提になっている。つまり、前回の「受注生産と見込み生産の混在を乗り切る方法」で説明したように、後工程の着手が前工程の着手の指示を出す、プル型の生産指示方式である。「かんばん」は、その生産指示の具体的な道具として使われる。

 かんばんは、その目的と機能から、「仕掛けかんばん」と「引き取りかんばん」に大別される(図1)。

 仕掛けかんばんは、工程の生産着手(仕掛け)指示に使用される。これはさらに、切り替えのほとんどない工程で用いられる「工程内かんばん」(=狭義の「かんばん」)と、プレスライン・ダイキャスト・樹脂成形工程などのように、段取り替え時間のかかるロット生産工程で使われる「信号かんばん」とに分類できる。

 引き取りかんばんは、文字通り後工程から前工程に部品を引き取るときに使われる。これも、工程と工程を取り持つ「工程間引き取りかんばん」と、外注先への納入指示を意味する「外注部品納入かんばん」とに分類できる(正確にいうと、これ以外に「臨時かんばん」が存在する)。

図1 かんばんの分類
図1 かんばんの分類

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