検索
連載

成功する品質改善プロジェクト体制はここが違う品質改善の王道を行こう(2)(2/3 ページ)

モノづくり現場で発生している品質不良を改善し、不良率半減を目指そう。品質改善のツールはあくまでもツールであって、それに振り回されてはいけない。本連載は品質改善コンサルタントによる品質改善の王道を解説する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

プロジェクト体制が構築できなかったらどうする?

 さて紹介した2つのプロジェクト・マネジメントのノウハウを取り入れたプロジェクト体制が構築できれば何も問題ありませんが、それには幹部クラスの了承が必要です。問題意識を持った幹部がいればいいのですが、品質改善より新製品開発や増産、コストダウン、省エネなどほかの課題が優先されるかもしれません。

 部下から上司への説得が難しいことはよく分かります。もし、あなたがプロジェクト体制を構築する権限がないか、あまりに障壁が高い場合は、まず一技術者の挑戦という形でもアリだと思います。その場合でも、「慢性不良に取り組みます!」と上司や周囲に宣言してください。いきなりいい出すと「何だコイツは!?」となるので、機会があるときで構いません。

 失敗を恐れる必要はありません。たとえ個人レベルで失敗しても、周囲の影響(迷惑)は限定的ですし、もともと誰も改善できなかった(過去に上司や先輩がやってもダメだった)のですから、「あっそ」で終わりだと思います。

 公言することで、自分へのプレッシャーが掛かり「やらなければならない!」とモチベーションが上がります。また、改善のアイデアや実験の手伝い、サンプル取りなど、関係者の協力が得られるはずです。先ほども書いたように、関係者の協力が得られるのと得られないのでは、改善の進ちょくはまったく違うものになります。

 改善できないことは失敗ではありません。何もしないことが失敗なのです。頑張りましょう!

 それでは、慢性不良の改善ストーリー「品質改善の王道プログラム」を順番に紹介します(プロジェクトチームとして取り組むことを前提として書いていきますので、個人として取り組む場合は適宜読み替えてください)。

プログラム1 テーマ選定

 テーマ選定の基本は重点志向です。生産量の多い製品の大きな不良項目を改善対象とします。改善するために多大なマンパワーを掛けるのですから、多数の小さな不良を狙うよりは、大きな不良を狙った方が、投資対効果がいいです。不良率の改善は劇的なコストダウンにつながります。

 慢性不良の場合、当然守るべき「あるべき姿」である規格値が守られていないわけですから、特に問題意識を持たなくても、テーマを決めやすいです。うちには慢性不良がないと思う方もいるかもしれませんが、過去の不良率データを見直して「本当にこういう状態でいいのだろうか」とぜひ問い掛けをしてほしいと思います。

 テーマ選定のツールとしては、QC7つ道具の1つである「パレート図」を使います(図1)。パレート図とは、問題の大きさを順番に並べた棒グラフと、大きな問題から順番に足した折れ線グラフの2つで構成されています。パレート図では、何が問題なのか、その問題がどの程度あるのかを把握できます。

図1 パレート図の例
図1 パレート図の例
「その他」が多い場合は、何が問題か分からなくなるので、内訳を分析すること

 テーマ選定では、まず「品種別の生産量のパレート図」を描いてみましょう。次に生産量の多い上位3品種程度の「品種別の不良項目のパレート図」を描きます。生産量の多い品種の一番多い不良項目をテーマ選定にするのが合理的ですが、いくつかの「品種別の不良項目のパレート図」を眺めながら、活動のしやすさや、技術的な難易度などを総合的に検討して、改善対象を最終決定してください。


【補足】改善に取り組む前に、もう一度慢性不良品がお客さまへ流出していないか、流出防止策が徹底されているかを確認してください。お客さまに迷惑をかけていて、社内でもたくさんの人が対応に追われている状態では、改善活動に注力できません。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る