【問題16】 D-FFでカウンタを作る:完全マスター! 電子回路ドリル II(18)
1ビットのデータを保持するフリップフロップ「D-FF」。このD-FFを複数接続した回路のことを“シフトレジスタ”と呼びます。
【問題15】の解答
前回の宿題【問題15】は、D-FFの回路を基に「タイムチャート」を作成するという問題でした。
皆さん解けましたでしょうか?
解けた方も解けなかった方も答え合わせをして、次項の解説までぜひ読んでみてください。毎週コツコツ問題を解いて、デジタル回路の基礎知識を身に付けましょう。
それでは、解答を発表します!
【問題15】の解説
D-FFは、“1ビットのデータを保持する”機能を持ったフリップフロップです。
【問題13】の解説で紹介した「SR-FF」、【問題14】の解説で紹介した「JK-FF」など、フリップフロップは何種類かありますが、今回解説するD-FFはその中でも特によく使われるものです。
まずは、図1をご覧ください。これはD-FFの論理記号です。
前述のとおり、D-FFの機能は1ビットのデータを保持することです。図2は立ち上がりエッジ型のD-FFの動作を示したものですが、D-FFはクロックパルスの立ち上がり時に入力端子Dの値を読み取り、その値をQに設定します。
それでは、ここまでの解説を基に【問題15】を解いてみましょう。
【問題15】は図3のように複数のD-FFを接続したもので、この回路を「シフトレジスタ(Shift Register)」と呼びます。
図3において、クロック信号CLKの立ち上がり時に、
- FF1は、Dinを保持
- FF2は、FF1の出力Qを保持
- FF3は、FF2の出力Qを保持
の3つが同時に起こります。これを「FF1とFF2とFF3は、クロックに同期している」といいます。
以上の事象をタイムチャートで表すと、図4のようになります。
図4では、各D-FFがデータを読み取ってから出力するまでの時間を誇張しています。すなわち、各D-FFはCLKの立ち上がりで直前の値(赤で示した値)を保持していることを意味します。その結果、各D-FFの値は1クロックずつ遅れが生じるため、この回路のことをシフトレジスタと呼んでいるのです。
次回までの宿題 ― 【問題16】
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