【問題1】 数の表現「10進数と2進数」:完全マスター! 電子回路ドリル II(1)
「完全マスター! 電子回路ドリル」の2学期がスタート! 内容を一新し、“デジタル回路”をテーマにした宿題を毎週お届けします。
電子回路ドリル【2学期】始業式
皆さん、「完全マスター! 電子回路ドリル【1学期】」の期末考査の結果はいかがでしたか?
1学期の連載では、オームの法則による電流・電圧の計算に始まり、トランジスタやオペアンプ回路までを出題・解説しました。全25回にわたる1学期の内容を十分に理解できていれば、“電子回路の初心者マーク”を外しても問題ありません。まだ、チャレンジしていない方や途中でくじけてしまった方は、いまからでも遅くはないので1学期の問題にもチャレンジしてみてください。
さて、今回からいよいよ2学期がスタートするわけですが、2学期では内容を一新し、「デジタル回路」について解説していこうと思います。そして、皆さんが目指す2学期のゴールは、
組み込みシステムなどに使われているデジタル回路の基礎を完全マスターすること!
です(少し大げさかもしれませんが、これくらいの意気込みでチャレンジしてください!)。
それでは、ゴールにもある「組み込みシステム」「デジタル回路」とは何でしょうか?
電子回路に興味を持っている(この記事を読んでいる)皆さんであれば、組み込みシステムという言葉を何度も聞いたことがあると思います。いまさら説明は不要かと思いますが、簡単にいえば、“マイクロコンピュータ技術の進歩によって、ありとあらゆる機器にコンピュータが組み込まれたシステム”のことです。
そして、テレビやDVDレコーダ、携帯電話、ポータブルオーディオなどなど、われわれの身近にある組み込みシステムにデジタル回路が使われているのです。
電子回路技術が進歩しても基本的な動作原理は変わらず
いきなりですが、画像1を見てください! これは一体何でしょうか?
実は、昔(パーソナルコンピュータがまだなかったころ)のコンピュータで記録媒体として使われていた「紙テープ」です。当時を知らない方であれば「えっ〜! うそ〜」と驚くでしょうが、本当に使われていました。
画像1を見てお分かりのとおり、昔はこの紙テープに穴を開けることで情報を記録していました。その後、電子回路技術は著しく進歩し、現在に至りますが、実はコンピュータの基本的な動作原理というのはこの当時から現在まで変わっていません。紙テープに穴を開けて情報を記録していたものが、ICチップの中でトランジスタのONとOFF、コンデンサの荷電状態などに置き換わっただけなのです。
コンピュータを構成するデジタル回路とは、電圧のレベルがH(high:高い)かL(low:低い)か、いわゆる論理値を扱う電子回路です。1学期で学んだアナログ回路では電圧の値そのものに意味を持ちましたが、デジタル回路では「信号の値が正確に何ボルトであるか?」ということに意味を持ちません。つまり、2学期では難しい数式を扱うことがなくなり、パズル的に楽しめるはずなのです(だから、気軽にチャレンジしてみてください)。
それでは、記念すべき2学期最初の宿題を発表します。例によって“肩慣らし問題”です。まずは、気軽にチャレンジしてみてください。
次回までの宿題 ― 【問題1】
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