いまさら聞けない 車載ネットワーク入門:カーエレクトロニクス技術解説(2/3 ページ)
ますます高度化するカーエレクトロニクス。その土台を支える車載ネットワークも用途に応じて多くの仕様に細分化されている
車載ネットワークの分類
車載ネットワークはキーによりさまざまな分類がされており、決定的な分類方法は定かではありません。ここでは一例として、データ転送速度と信頼性をキーとした車載ネットワークの分類を紹介します(図1)。
図1の分類方法では、車載ネットワークを6つに分けています。
また、車両の上半分(いわゆるボディ)を「ボディ系」、車両の下半分(いわゆるシャーシ) を「制御系」に分ける分類方法も多く見られます。この場合、「情報系」はボディ系の亜種に分類され、「安全系」は制御系の亜種と分類しているかもしれません。
なお、実車両は機能分類ごとにネットワークを形成し、分類間の情報はゲートウェイを経由しています。それぞれの分類において必要とされる品質や通信速度などが異なるため、制御系といえども同じバスに機能分類をまたいで接続することはほとんどありません。
では、本稿のメインとなる制御系は後で詳しく解説することにして、ここではそのほかの車載ネットワークについて簡単に見ていきましょう。
安全系
安全系は、自動車の安全機能を提供する部品関連を示します。安全系で用いられる車載ネットワークの代表としては、「ASRB」「BST」「DSI」などが挙げられます。
情報系
自動車の乗車空間などで利用されるエンターテインメント機器(オーディオ、ナビ、電話などマルチメディア機器)が利用する車載ネットワークを車載情報系ネットワーク(以下情報系)と呼んでいます。情報系は高速大容量通信が必要となる半面、信頼性はほかの車載ネットワークほど必要とはしません。情報系の代表例としては、「IDB-1394(IEEE 1394)」と「MOST」が挙げられます。
診断系
診断系は、各ECUの状態などを診断ツールで収集する機器を示します。利用しているプロトコルは制御系とほぼ同類なので、ここでは説明を割愛します。
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