OKIシンフォテックが「種まき/育成/刈り取り」で事業変革を推進する理由:製造マネジメント インタビュー(1/2 ページ)
OKIグループの一員として、2020年に新スタートを切ったOKIシンフォテックは2031年度に売上高100億円以上の達成を目指して事業変革を進めている。その取り組みの内容について、同社 代表取締役社長執行役員の富澤将一氏に話を聞いた。
筐体や電源の設計/製造技術を強みとし、OKIのEMSグループとして事業を展開しているOKIシンフォテックは、2020年の合併発足以降、社内の変革を進めながら業績を堅調に伸ばしている。開発から基板実装、板金加工、表面処理、装置組立、試験までを一貫して支援する体制を強みとして、2031年度に売上高100億円以上の達成を目指し、事業領域を広げている。
そんなOKIシンフォテックがどのような取り組みを通じて事業を成長させてきたのか、また今後どのように事業を成長させていくのかについて、2024年にOKIシンフォテックの代表取締役社長執行役員に就任した富澤将一氏に話を聞いた。
売上高100億円以上達成に向け「種まき/育成/刈り取り」を実行
OKIシンフォテックは源流をたどると創業から83年を迎えた歴史のある企業だ。現在の社名であるOKIシンフォテックは、筐体の板金加工を担っていたOKIメタルテックが、電源の設計/開発/製造を行っていたOKIテクノパワーシステムズを吸収合併した2020年に社名変更をして生まれた。従業員数は374人(2026年4月1日時点、派遣社員53人を含む)で、資本金は5000万円だ。
OKIシンフォテックに社名を変更して以降は、2021年に塗装工場を新設し、2025年には電源生産ラインを庄野工場に移して製造エリアを拡張している。同社は情報通信や産業機器を主力事業とし、医療や交通(鉄道駅表示や改札機、車両検知、道路関連機器)、農業(選果機)、エネルギーなど、幅広い業界向けに製品を製造している。近年では、半導体装置が好況だという。
富澤氏は「われわれの業績は2020年の吸収合併時を100%とすると、今は150%まで伸びている。2023〜2025年の3年間は業績が横ばいであったことから、この状態を改善するため、2024年度に『種まき』を、2025年度に『育成(実行)』を、2026年度に『刈り取り』を実施して、業績を押し上げようとしている」と語る。
種まきの段階である2024年度は、売上高を上げるためにターゲットや戦略を決めてポートフォリオを作成し、拡大領域を決定した。併せて、生産量の増加に対応できるようにするため、工場間の生産移行をしやすくすることで、生産の平準化/最適化を行う生産ポータビリティを検討した。
次の育成の段階に当たる2025年度は、実際に選定した市場や顧客に対して提案を開始した他、事業領域の拡大/新規開拓に向けて、1台のスイッチング電源で入力から出力、または出力から入力といった双方向の電力変換を実現する「双方向コンバーター」などの新技術開発に取り組んだ。併せて、電源生産ラインを庄野工場に移設した。「双方向コンバーターについては、2025年の後半ぐらいから取り組みを進めている。電源メーカーとして他社にしっかりと追い付きたいという思いが強い」(富澤氏)。
最後の刈り取りの段階である2026年度は、従来のような単品での生産から、一貫製造へ領域を拡大し、新技術の提案活動を開始している。「成長に向けて、設計から板金加工、組み立てまでの一貫丸ごと受注を目指して顧客に提案し、板金の単品提供からセット販売に拡大している」(富澤氏)。併せて、顧客の認定技術を習得しながら、継続的な投資により人手不足を解消し、“人に優しいモノづくりを推進している”という。
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