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ファナックがCNCで挑む安全なフィジカルAI デジタルツイン×人の承認で事故防止:JIMTOF2026

ファナックが「JIMTOF2026」で披露した「フィジカルAI CNC」は、生成AIを活用してトラブル対応や加工調整を自律支援する次世代システムだ。現場で最も懸念される“AIの誤作動”に対しては、事前シミュレーションと人間の最終承認による多重の安全構造を提示した。

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 ファナックは「JIMTOF2026(第33回日本国際工作機械見本市)」において、AI(人工知能)がCNCと連携して自律的に現場作業をサポートする「フィジカルAI CNC」を訴求した。

MCPサーバでLLMとCNCが連携、多重の安全構造で“AIの誤作動”を防ぐ

AIがCNCと連携して自律的に現場作業サポートする「フィジカルAI CNC」
AIがCNCと連携して自律的に現場作業サポートする「フィジカルAI CNC」を訴求[クリックで拡大]

 ファナックでは従来、温度変化による加工点の変位を予測、補正するAI熱変位補正や、工作機械のサーボモータから得られるトルクや回転速度のデータから故障の予兆を検知するAIサーボモニタ、サーボ調整を機械学習で自動化するAIサーボチューニングといった、機械学習や深層学習を用いて物理動作に作用するAI機能を提供してきた。

 フィジカルAI CNCは、CNC/デジタルツインと生成AIが連携する制御システムとなり、LLM(大規模言語モデル)を活用した機能を組み合わせたサービスの展開を図る。今後、LLMがCNCや関連ソフトを操作できるようにするMCPサーバを提供する。MCPサーバは、米国のAnthropic(アンソロピック)が提唱する生成AIモデルと外部サービスを接続するためのオープンプロトコルで、LLMはMCPサーバを介してCNCのデータを参照し、必要な設定変更が可能になる。

フィジカルAI CNCのコンセプト
フィジカルAI CNCのコンセプト[クリックで拡大]出所:ファナック

 ただし、安全を担保するためLLMが考えた内容をそのまま実機に送るのではなく、CNCシミュレーター「CNCガイド2」や、プログラムの動作検証が可能な「CNC Reflection Studio」などのPC上のデジタルツインツールを使って検証を行う。シミュレーションで安全性が確認された後、最終的にオペレーターが目で見て承認した場合のみ実機へ転送、適用する仕組みとなっており、多重の安全対策が講じられている。

 ファナックのCNCを搭載する工作機械メーカーやソフト開発会社は、このMCPサーバを利用して独自のAIアプリケーションの開発が可能になる。会場では、フィジカルAI CNCによるサービス例として各種のデモンストレーションを披露した。

フィジカルAI CNCの全体構成
フィジカルAI CNCの全体構成[クリックで拡大]出所:ファナック

 「トライ&エラーからの解放」のデモでは、加工面に筋目などの不良が生じた際に、AI加工面チューナーにサーボデータや加工プログラムなどを与えると、加減速パラメータなどの原因を推定し、シミュレーションで検証した改善案を提示し、プログラム修正まで自動で行う。解析手順やルールをあらかじめ登録しておくことで、AIはそのノウハウに沿って検証を進める。


AI加工面チューナーが加工不良の原因を推定し対策を提案する[クリックで拡大]

 「トラブルからの自動復旧」では、CNCのアラームを検知するとAIアラーム診断ナビゲーターが、アラームの内容やCNCの状態を確認し、原因を推定して対策を検討。その対策がシミュレーションで成功したことを受けて、オペレーターに提案する流れになっている。

トラブルからの自動復旧ではAIアラーム診断ナビゲーターが自律的にオペレーターをサポート
トラブルからの自動復旧ではAIアラーム診断ナビゲーターが自律的にオペレーターをサポート[クリックで拡大]
AIとのやりとりのイメージ
AIとのやりとりのイメージ[クリックで拡大]出所:ファナック

 「意図を伝えるだけのものづくり」では、タブレット端末に文字を手書きで入力すると、AI文字彫刻デザイナーが複数の装飾パターンを提案し、選択したパターンの加工プログラムへと変換。シミュレーター上で軌跡を表示し、オペレーターが承認するとレーザー加工機が文字を加工するデモになっている。いずれのデモにおいても、デジタルツインでの高速自動検証と人間の最終承認を組み合わせることで、多重の安全構造を確保している。

AIによって加工プログラムを作ることなく、手書きの文字をレーザー加工できる
AIによって加工プログラムを作ることなく、手書きの文字をレーザー加工できる[クリックで拡大]

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