ニデック「永守氏の会社」脱却へ 戒田CEOが語った前経営陣への思い、再生の道:製造マネジメントニュース(1/3 ページ)
ニデックは、監査法人の「意見不表明」が長引く事態を受け会見を開いた。新たに求められた252人の追加検証が続いているのが要因だ。また、創業者の永守重信氏ら元役員9人の提訴を発表。CEOの戒田理夫氏は前経営陣らへの思いを語りながら、「法に従い正しく処理する」と明言した。
ニデックは2026年10月28日、過去の不適切な会計処理や品質不正疑惑を受けた再生への取り組み状況に関する記者会見を開いた。会見に登壇したニデック 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)の戒田理夫氏は、過去のガバナンス不全を痛切に反省し、元役員らへの提訴を「法に従い粛々と実行する」と表明した。新たな企業風土改革を掲げ、市場からの信頼回復を目指す方針を強調した。
なぜ「意見不表明」なのか、新たに252人が電子メール調査の対象に
ニデックは、東京証券取引所から特別注意銘柄の指定を受けてから1年となる10月28日までに、適正意見の付いた有価証券報告書の提出を目指していた。しかし、期限内に適正意見を得られず、現在も監査法人が監査意見を出せない「意見不表明」という事態が続いている。
ニデックが2026年9月30日に提出した2026年3月期の有価証券報告書において、意見不表明とされた主な理由は大きく2点ある。
1点目は、不適切な会計処理に関与した役職員の人事措置や、財務報告の信頼性を担保する「経営者確認書」の署名候補者に対する適格性検証が一部完了していなかった点。2点目は、一部の資金生成単位(CGU)の減損損失や関係会社株式の評価損などについて、計上額などの妥当性を裏付ける十分な監査証拠が入手できなかった点である。
このうち、9月末時点で対応未了となっていた署名候補者ら77人に対する評価や、現任役員8人へのデジタル鑑識調査、不正関与が認められた20人に対する財務報告プロセスの再検証については、会社側の作業を終え、10月27日までに監査人に報告済みとしている。
しかし、監査人が確認を進める過程で新たな検出事項が生じたため、調査範囲が拡大した。具体的には、10月19日に、これまでの調査対象外であった経営者確認書の署名候補者252人に対する電子メール等の追加スクリーニングが新たに要請された。このうち特定の条件に該当する132人への確認作業などが現在も続いており、これが未完了となっていることが最大の要因となっている。
長期間にわたり監査意見が出せない異例の事態について、会見に同席したPwC Japan監査法人 代表執行役の久保田正崇氏は、現在の状況を次のように説明した。
「監査用語での『不適正』とは、数字が間違っているという監査証拠がある状況を指す。現在の『意見不表明』は、数字が正しいか誤っているかの結論を出すための証拠自体が得られていない状況だ。また、11月以降も追加の事項が発生し、監査の範囲が拡大される可能性自体はある」
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