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矢崎総業が直面したAI活用の壁、オラクルの「Fusion」採用が必然となった理由:製造IT導入事例(1/3 ページ)

日本オラクルのAI関連イベント「Oracle AI Forum」のオープニング基調講演では、同社の三澤智光氏が提示した「AIを使って何を目指すのか」をテーマに、矢崎総業 執行役員 AI・デジタル室 室長 情報システム統括室 室長の丹下博氏がゲストとして登壇し、同社の事例を紹介した。

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 日本オラクルは2026年10月6日、東京都内でAI(人工知能)関連のイベント「Oracle AI Forum」を開催した。オープニング基調講演では、同社 取締役 執行役 社長の三澤智光氏が提示した、企業がAIを“実験”から“実行”へ進めるための3つの問いのうち「AIを使って何を目指すのか」をテーマに、矢崎総業 執行役員 AI・デジタル室 室長 情報システム統括室 室長の丹下博氏がゲストとして登壇し、同社の事例を紹介した。

オープニング基調講演で「AIを使って何を目指すのか」について語り合う日本オラクルの三澤智光氏(左)と矢崎総業の丹下博氏が(右)
オープニング基調講演で「AIを使って何を目指すのか」について語り合う日本オラクルの三澤智光氏(左)と矢崎総業の丹下博氏が(右)[クリックで拡大]

企業のAI活用は支援系AIから基幹系AIへ

 三澤氏はオープニング基調講演の冒頭で、企業がAIを“実験”から“実行”へ進めるための問いとして「AIを使って何を目指すのか」「AIのためにデータプラットフォームをつくるのか、AIを使ってデータプラットフォームをつくるのか」「AI、データ、ソブリンというキーワードにどう相対するか」の3つを挙げた。

企業がAIを“実験”から“実行”へ進めるための3つの問い
企業がAIを“実験”から“実行”へ進めるための3つの問い[クリックで拡大] 出所:日本オラクル

 このうち「AIを使って何を目指すのか」については、企業の従業員によるCopilot系などの支援系AIを活用することで一人一人の業務速度や効率を向上するという観点でのAI活用が進んでいるものの「これらは個々人の作業時間を削減できても業務自体は変わらず、経営者としては財務諸表に表しづらいAI投資ということになる」(三澤氏)という。

 今後、企業のAI活用は、AIが業務を進め、組織全体の処理能力を増やす基幹系AIがより重視されるようになる。三澤氏は「今まで100人でやっていた業務を80人でやれるにようになれば、その残った20人を新しい業務に回せる。このように企業全体のキャパシティーを拡大していくAIが重要になる。業務そのものが変革され、企業経営者にとってKPI(重要業績評価指標)に反映しやすくなる」と指摘する。

 ただし基幹系AIを導入する際にAIが業務を実行できるようにするには、AIモデルの性能だけでなく、「正しいデータとビジネスコンテキスト」「行動規範」が同時に必要になる。正しいデータとビジネスコンテキストは、AIがデータの意味、関係性、業務プロセス、ルール、過去の経緯を理解して適切に判断、実行するためのよりどころとなるものだ。そして、行動規範はAIに安心して業務を任せるために、権限管理、職務分掌、監査、ガバナンス、監視、停止を可能にする仕組みとなる。

 ここで問題になるのが、企業の基幹系システムであるERPが、企業のAI活用に必要な正しいデータとビジネスコンテキストという観点で相性が良くないことだ。これは、データモデル、コンテキスト、権限、プロセス、監査証跡などが業務領域ごとにバラバラであり、ERPから直接正しいデータとビジネスコンテキストを得られないためだ。そこで、AIの業務実行に、別途AI用データプラットフォームを構築し、統合、再整備しているのが実態だという。

基幹系AIの導入における既存のERPとOracle Fusion Cloud Applications」「NetSuite」の比較
基幹系AIの導入における既存のERPとOracle Fusion Cloud Applications」「NetSuite」の比較[クリックで拡大] 出所:日本オラクル

 一方、オラクルのERPである「Oracle Fusion Cloud Applications(以下、Fusion)」と「NetSuite」は、ERPだけでなくSCM(サプライチェーンマネジメント)、HCM(人的資本管理)、CRM(顧客関係管理)といったさまざまなアプリケーションがシングルデータモデルで動く設計になっている。「このシングルデータモデルの中に、既にコンテキストやオントロジー(AIが企業のデータの意味を理解するための設計図)がプリセットされている状態であり、AIそのものがFusion/NetSuiteの中で動いて安全に実行することが可能になる」(三澤氏)。同様に、行動規範もFusion/NetSuiteに組み込み済みだとする。

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