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AIと協調する「スーパーヒューマン」を目指せ――キナクシスCEOが語るSCM変革の鍵:製造マネジメント インタビュー(1/3 ページ)

サプライチェーンが企業経営を左右する不確実性の時代。AIによる最適化プラットフォームを提供するキナクシスCEOのラザット・ガウラヴ氏に、現場の成果につなげるオーケストレーションの真意や、AI協調による「スーパーヒューマン」の実現、日本の製造業が目指すべき意思決定スピード向上の重要性について聞いた。

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 近年、地政学的な緊張や自然災害、急激な需要変動といった予測不能な事態が常態化する中、複雑なモノの流れを支えるサプライチェーンの在り方が、企業の経営成績を直接左右する状況になっている。

 サプライチェーンには単なるコスト削減にとどまらず、変化に対する柔軟性や強靱(きょうじん)性が求められる。この複雑な課題の解決に向けて、AI(人工知能)などの技術を活用した最適化を支援しているのが、カナダに本社を置くキナクシス(Kinaxis)だ。

 2026年1月に同社の最高経営責任者(CEO)に就任したラザット・ガウラヴ氏は、エンタープライズソフトウェアやサプライチェーンソリューション分野で25年以上の経験を持ち、PlanviewやLLamasoftなどでCEOを歴任してきた人物である。本稿では、グローバルなサプライチェーンを取り巻く現状の課題をはじめ、キナクシスが提供するAI技術、そして変革を迫られる日本の製造業が目指すべき方向性についてガウラヴ氏に聞く。

キナクシス 最高経営責任者(CEO)のラザット・ガウラヴ氏
キナクシス 最高経営責任者(CEO)のラザット・ガウラヴ氏

5000年以上続くサプライチェーンの営み――高まる意思決定の重み

MONOist 現在のグローバルなサプライチェーンを取り巻く環境をどう見ていますか。

ガウラヴ氏 「モノを作り、運び、取引をする」というサプライチェーンの営みは、人類の歴史において5000年以上にわたって存在してきた。しかし今日、地政学的なリスクや自然災害といった予測困難な事象が相次ぐ中で、サプライチェーンの運営においては、ボラティリティ(変動性)、バリアビリティ(多様性)、そしてアンサーティンティ(不確実性)の3つが顕著な課題となっている。

 企業はこのような複雑で不確実な状況に対処しながらも、需要や供給、最適な在庫配置などの決断を的確に下さなければならない。なぜなら、これらの意思決定は数百万ドル、あるいは数十億ドル規模の影響を及ぼすからだ。サプライチェーンにおける判断は、もはや単なる現場の調整にとどまらず、顧客へのサービスレベルや運転資金、さらにはコストや営業利益といった企業の経営に直接関わってくる。

ガウラヴ氏
ガウラヴ氏

MONOist サプライチェーンに対する企業の意識は変わってきているのでしょうか。

ガウラヴ氏 サプライチェーンにおける意思決定が自社のビジネスに直結するという認識が急速に高まり、意思決定の成熟度をどのように高めていくかに関心を持つ企業が増加している。その結果、先進的な企業では、どのようなプロセスやシステム、データを活用してサプライチェーンのオーケストレーションを進めていくべきかを真剣に検討し、実行に移す動きが広がっている。一方で、何から手をつければよいか模索している企業も少なくなく、企業間でサプライチェーンの意思決定の成熟度や対応力に差が広がりつつあるのが現状だ。

どのようなサプライチェーンプランニングを目指すべきか
どのようなサプライチェーンプランニングを目指すべきか[クリックで拡大] 出所:キナクシス

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