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東京メトロ東西線の新車両は20〜30%省エネ、世界初の主回路システムで実現:鉄道技術

東京地下鉄(東京メトロ)と三菱電機は、鉄道用「同期リラクタンスモータシステム:SynTRACS」と「超小型VVVFインバータ装置」を組み合わせた新たな主回路システムを、東京メトロの東西線05系車両に導入すると発表した。これらの組み合わせを鉄道の主回路システムに導入するのは世界初となる。

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 東京地下鉄(東京メトロ)と三菱電機は2026年10月8日、鉄道用「同期リラクタンスモータシステム:SynTRACS」と「超小型VVVFインバータ装置」を組み合わせた新たな主回路システムを、東京メトロの東西線05系車両に導入すると発表した。これらの組み合わせを鉄道の主回路システムに導入するのは世界初となる。2026年12月から営業運転を開始し、2030年度までに合計9編成の導入を予定している。

東西線05系車両と、「SynTRACS」を構成する同期リラクタンスモーターと超小型VVVFインバータ装置
東西線05系車両と、「SynTRACS」を構成する同期リラクタンスモーターと超小型VVVFインバータ装置[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 SynTRACSは、同期リラクタンスモーターとそれを制御するインバーターで構成されており、東京メトロと三菱電機が共同で、日比谷線13000系車両において世界で初めて実証試験、営業線長期評価試験、営業運用を行ったシステムである。両社は、同システムが一般的な誘導モーターシステムに比べて約18%という高い省エネ効果を有することを定量的に確認している。今回の東西線05系車両への導入により、従来比で約20〜30%の省エネ効果を見込む。

同期リラクタンスモーター超小型VVVFインバータ装置 同期リラクタンスモーター(左)と超小型VVVFインバータ装置(右)[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 一方、超小型VVVFインバータ装置は、同期リラクタンスモーターを駆動するVVVFインバーター装置が大型化しやすいという課題を解決するために開発した。最新のSiC(シリコンカーバイド)素子や高性能CPUを適用することで超小型化を実現し、従来のVVVFインバーター装置と比べ、体積を約81%、重量を約43%低減している。これにより、既存車両のリニューアル工事における導入性を向上させ、フレキシブルな床下機器配置が可能になる。

 導入対象となる東西線05系車両は10両編成で、同期リラクタンスモーターと超小型VVVFインバータ装置を1編成当たりそれぞれ16台搭載している。モーターの定格出力は1台当たり250kW、重量は551kg、超小型VVVFインバータ装置の1台当たりの重量は140kg。

導入前後での増減比較(1両当たり)
導入前後での増減比較(1両当たり)[クリックで拡大] 出所:三菱電機

 同期リラクタンスモーターは、回転子鉄心内の磁気抵抗差によって生じる磁極との相互作用で発生するリラクタンストルクで駆動する。鉄道車両に一般的に採用されている誘導モーターと比較して、回転子の発熱損失が小さく、効率や質量特性に優れることが特徴だ。今回採用したモーターは、導入前と比較して重量を約9%低減しながら、出力を約22%増加している。

 一方、超小型VVVFインバータ装置は、最新のSiCパワー半導体素子を採用しており、電力変換時のスイッチングロスを低減することで、発熱抑制による冷却器の小型化を実現した。さらに高性能CPUを活用した高集積制御基板により装置構成も刷新している。これらの効果により、導入前の装置と比較して体積を約81%、重量を約43%低減できている。

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